前回の亜鉛欠乏と植物のオートファジーの記事で、植物のオートファジーのきっかけとして、再利用性の高い要素が欠乏した際に行われている事に触れ、亜鉛欠乏について触れた。

亜鉛といえば、秀品率向上の新たな課題は亜鉛をどう加えるか?の記事で触れた通り、欠乏しやすい要素として扱われている。


栽培で亜鉛を供給するにはどうすれば良いか?を考えてみると、肥料以外ですぐに思いつくのが、



川の水を畑に入れること。

この視点で検索してみたところ、河川から検出される全亜鉛の由来に関する研究 -河川底質に由来する全亜鉛- 福井県衛生環境研究センター年報 第10巻(2011)という調査報告に行き着いた。


福井県の川の各所の水質の亜鉛の量を調べてみたところ、亜鉛が高濃度であったところの一つに河川底質が巻き上げられて混入した可能性があるということで、浮遊物質量が高いほど全亜鉛濃度が高い傾向にあるという記載があった。

川の亜鉛の由来は地形的なものから生活排水や工業排水と様々な要因が考えられるが、もう一つ興味深い記述として、底質が泥質や砂礫質かによって底質の巻き上げ易さによって川水中の亜鉛濃度が異なる可能性があることを示唆していた。

※亜鉛濃度は上流が濃く、下流が薄いということではないということ


この結果を栽培に置き換えてみると、散水もしくは田の入水で川の水を利用する際、ポンプアップしても亜鉛を供給できるが、少々激しい流れで泥を巻き上げながら入水するとより多くの亜鉛を入れる事ができるようになるはず。


これを踏まえた上で、




区画整備された水田を思い浮かべてみると、川の底の泥の巻き上げがないから、川由来の亜鉛を含む要素の供給量は減っているのだろうなと想像できる。

泥を巻き上げながらとなると、水路のメンテナンスが大変になるので、金属系要素の流入が少ないと意識して、肥料で補うという発想が必要になるのだろうな。

客土で川砂を入れる意義再び


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