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先日、ほぼ毎日様子を見ている田について話す機会があり、熟練の栽培者から指導を受けた方からの話が印象的だったのでメモとして残す。

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022


ちなみにこの方も今年の稲作は猛暑日が2週間程前倒しになり、異常な生育をしていたとのこと。

それにも関わらず、全体的に収量が多かったところに危機感を感じていた。

要因ははやくに葉の色が落ち、それに合わせて追肥をしたからであって、多収であったことを単純に喜ぶことは出来ない。

今年は稲作で追肥をしている方をよく見かける


上記内容を踏まえた上で本題に入る。




土壌の物理性の向上に合わせた減肥は難しいに記載した内容で、


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台風の後に深植えしたところが倒伏せず、


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浅植えしたところが倒伏した。


倒伏に関して、一般的に深植えよりも浅植えの方が倒伏しにくいと考えられているそうだ。

それ故、今回の状況が腑に落ちなかったそうだ。


深植えすると、イネの初期生育で徒長して、この徒長が収穫前まで影響を与える。

全員揃って大きくなれば勝ちとなる


いつも見ている田では、中干しをせずに肥効を抑えていないので、無効分げつが増え、穂重が重くなっているはず。

これらが組み合わさるから、深植えの方が倒伏しやすくなっているはずなに何故倒伏しなかったのか?が不思議であったらしい。

イネの有効分げつ歩合とは


おそらくここに、これから増えるであろう猛暑日対策のヒントがあるのだろう。


とりあえず、レンゲ米の水田からイネの生長を考えるの記事で見たような物理性を向上させた田ではイネの初期生育が遅くなったということが深く関係しているのだろうと返答しておいた。


最後に思ったこととして、物理性を向上した田では熟練者にあるような細かいことを気にしなくても栽培が楽になるので、土が仕事をしてくれたという状態を実感した。

(稲作に限らず)栽培全般で物理性を向上させると、習得すべき技術の量が減るのは間違いないし、熟練者を余裕で凌駕する可能性もある。


次の目標は物理性の向上を大規模化した稲作に対応することだ。

稲作の大規模化に向けた土壌の物理性の向上の技法の確立は急務の続き