先日、大阪の箕面にある箕面公園昆虫館に行った時、ピンク色のハナカマキリを見た。
長い進化の歴史において、なぜこんなにも花に似ているカマキリが誕生したのだろう?と改めて思った。
よく言われるのが、カマキリは花に似ている方が捕食対象の昆虫が寄ってきて生存競争で有利だったからというものだけれども、こんなにも都合よくピンク色になるのもなのか?
小さなマメ科の花と小さなハナバチの記事で草むらに行ったことを記載した。
上記の記事ではコハナバチを見ていたけれども、草むらで探してたのはバッタだった。
バッタは緑なので、草むらの色と同化していてとにかく見つけにくい。
そんな中で見つけたのが、
このバッタだ。
こんなにも見つけにくいのは、草に似るように進化した賜物なのだろうな。
ここで疑問になるのが、バッタが細く緑色になったのは淘汰に因るものだったのか?それとも他の要因に因るものなのか?ということ。
細くなるのは淘汰圧に因るものだろうけれども、緑色は本当に淘汰圧なのか?
褐色のバッタもいるので、生活の仕方によって必然的に緑になったのではないか?
昆虫の色素について検索してみたら、齊藤準 多様な昆虫の機能解明と応用 昆虫の生存戦略に学び地球環境を見つめるという読み物に昆虫の体液形成メカニズムの解明というトピックがあり、幼虫の体液や皮膚で見られる緑色の記載があった。
話題はチョウ目の幼虫であったけれども、参考として抜粋してみると、
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植物に由来するカロテノイド(黄色)と体内で合成されるビリン系色素(青色)が様々な割合で混ざり合うことによるもの
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と記載されていた。
カロテノイドの方はカロテノイドの生合成の記事で見てきたのでここでは端折る事にする。
ビリン系色素の青色の方を見てみる。
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昆虫のビリン系の色素としてはビリベルジンIXγ、フォルカビリン、サーぺドビリンの3種類が知られています
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一つ目のビリベルジンを見てみると、
NEUROtiker - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる
ビリベルジンは葉緑素で見かけるクロロフィルのヘムの生分解産物の中間体で、上記で記載されているビリン系色素はビリベルジンが更に開いたものである。
同じ方が投稿した齊藤準 野蚕の色彩に関わるビリンとその結合タンパク質 -青色の色彩に隠された生存戦略- 蚕糸-昆虫バイオテック79(3),153-158(2011)には、緑の体液には体内で発生した活性酸素やフリーラジカルといった酸化ストレスへ抵抗するための生体防御ではないか?と記載されていた。
今回の内容がバッタに適用できるかは現時点ではまだわからないが、昆虫の色で、黄色と青色を発色できることはわかった。