木炭によるVA菌根菌の感染の促進機構 - 草地試験場 生態部 - 農研機構という読み物を見かけた。
※図:晝間敬等 リン栄養枯渇条件下での根圏糸状菌による植物生長促進 - Jpn. J. Phytopathol. 84: 78–84 (2018) 80ページ 図1より引用
※菌根菌は上の図の右側
土壌中の糸状菌が植物に対して病原菌となるか共生菌となるか?は施肥次第
牧草のオーチャードグラス(イネ科)とアルファルファ(マメ科)での話題だけれども、木炭を施用したらVA菌根菌の感染(共生)が増えて成長が旺盛になった。
木炭を施肥しても、クロルピクリンで土壌消毒したら感染は0になり、木炭の効果が見られなかった。
ここから木炭には菌根菌の活性を促進させる効果があることが予想され、菌根菌の影響により成長が旺盛になる。
菌根菌に感染(共生)した植物は、リン酸や各種金属(亜鉛、銅)の吸収が促進し、各種金属により光合成や耐性が強化される。
話をサツマイモの大産地で基腐病が蔓延しているらしいの内容に移す。
サツマイモで木炭を入れたら、菌根菌との共生による恩恵を受けることは可能なのか?
古い内容ではあるが、磯部 勝孝等 木炭の施用がサツマイモの収量に及ぼす影響 - 日本作物学会紀事 1996 年 65 巻 3 号 p. 453-459があった。
端的に書くと、荒い木炭を施用して栽培したサツマイモで収量が増した。
サツマイモ + 木炭 = 菌根菌と判断するのは難しいけれども可能性はある。
木炭によってサツマイモと菌根菌の共生が促進されたと仮定するならば、サツマイモの基腐病ですべきことが見えてくる。
栽培開始前の薬剤による土壌消毒は絶対にダメだ。
土壌消毒後に土壌中にリン酸が過剰であれば、基腐病の菌が最初に優勢になることは間違いない。
土壌中の糸状菌が植物に対して病原菌となるか共生菌となるか?は施肥次第
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