散布用に地下水を組み上げたら赤い水が出たで地下水を組み上げたら赤い水が出てきて、その水の上に油が浮いていた。
その水を散布していたら、スプリンクラーの先にサビっぽいものが付き始めた。
この水を引き続き使い続けても良いか?という相談があったわけで、この答えを探すために赤い水について調べなければならなくなった。
これらの問題を探るためには赤い川と鉄細菌の話から始めると良いだろう。
時々、こんな感じの赤い川を見かけることがある。
鉄が多く溶けていて、酸化鉄(赤錆)が沈殿しているから赤く見える。
このような赤い川では、
流れの少ないところではこんな感じで、油っぽいものが浮かんでいる。
しかもこれらの油っぽいものの臭いを嗅いでみても重油臭はない。
この油の原因は鉄細菌という微生物によって生成されたもので、赤い川も鉄細菌の働きによって形成される。
鉄細菌というのは、
Fe2+ → Fe3+ + e-
という反応の際に生成される電子(e-)を取得して生活する化学合成の無機栄養の土壌微生物の総称。
※生物は電子(e-)を欲しがっている
前提として、土(石)には鉄を含む鉱物はふんだんにある。
これらの鉄が何らかの作用によって水に溶ける。
例えば、強酸に触れた時に遊離する等。
水に溶けた鉄は
Fe2+ + 2OH- →Fe(OH)2
で水酸化鉄(Ⅱ)(水酸化第一鉄)になるとする。
この水酸化鉄(Ⅱ)に対して、鉄細菌は
Fe(OH)2 + OH- → Fe(OH)3 + e-
このように鉄を酸化させ、その時に出てくる電子を活動のためのエネルギー源として受け取る。
発生した水酸化鉄(Ⅲ)(水酸化第二鉄)を酸化皮膜として利用する。
この膜こそが
水に上に浮かぶ油っぽいものになるらしい。
酸化された鉄が沈殿することで
赤い川が形成される。
堆積したものが長い年月を経ることで褐鉄鉱となる。