
風邪にはかぼちゃが良いとよく聞く。
風邪が悪化して辛い症状が続くと、よく効くものにすがりたくなる。
先週から喉の痛みと鼻水で困っていたので、ふと冒頭のフレーズを思い出し、一体かぼちゃの何が風邪に良いのだろう?と気になった。
かぼちゃにはβ-カロテンをはじめ、ビタミンCやE、B1、B2、ミネラルや食物繊維が豊富に含まれている。
かぼちゃの基本情報|もっと野菜を。もっと食卓に。|キユーピー
β-カロテンは一旦おいといて、ビタミンCとビタミンEは最近見たのでここでは触れない。
ビタミンB1は糠漬けのところで触れた。
ビタミンB2は保留にしておく。
ミネラルの個所だけれども、ビタミンEやビタミンB1がタネの形成と発芽にとって重要なものであるとした上で、以前触れた果菜類の果実内発芽から考慮するとおそらく鉄やカリウムが多いのだろうと予想できる。

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最初に保留にしておいたβ-カロテンだけれども、植物体内では赤橙色の色素のことで、

かぼちゃの特徴的な色はおそらくβ-カロテンなのだろう。

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β-カロテンには太陽光の葉緑素では吸収できない青っぽい色(上の図の左の方)の波長を受光する補助集光作用がある。
余談だけれども、様々な仮説はあるが生物は海底で誕生したと考えられている。
太陽光が海に降り注いだ時、海表面の水が波長の高い色(上の図でいうところの緑から右側)を吸収してしまい、海底には波長の低い青っぽい光しか到達しないらしい。
ある時、海底にある硫化水素を餌にして光合成(酸素は発生しない)を行う細菌が誕生したと言われるが、これらの細菌は緑色の色素であるクロロフィルを持たず、青色の波長を受光できる赤橙色の色素を持つため紅色の細菌であったとされる。
光合成を行える生物の誕生こそが様々な有機物を合成できるようになったきっかけになるので、赤橙色の色素は長い生物史において初期段階に誕生したものだと言える。
こう考えると、植物の色素が人にとって有益な栄養素であることもなんとなく納得できるけれども、それはまた別のお話。
その前にβ-カロテンのことを見たいが、余談が長くなってしまったので今回はここで一旦終了する。
-続く-




