前回、カマンベールチーズについて触れた。
カマンベールチーズの大きな特徴は圧搾しないカードに白カビをつけて、
白カビによって熟成させるチーズである。
この白カビから興味深い恩恵を受けることが出来るらしいので、
その研究報告を紹介する。
ビール会社として有名なキリンの研究・技術開発成果からカマンベールに関する報告を紹介する。
本来は論文を読んで、それを紹介するのが筋だけれども、
キリンの研究報告がわかりやすいのでこちらのリンクを張っておく。
カマンベールチーズから、アルツハイマー予防に祐子王な成分を発見 | 研究・技術開発レポート | 研究開発 | キリン
アルツハイマーの原因は加齢と共に脳で増えていくアミロイドβという老廃物が脳の神経細胞の情報伝達を邪魔することだと考えられている。
このアミロイドβは脳にあるミクログリアという細胞が除去するらしいが、
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カマンベールチーズの熟成に関与した白カビが合成するオレイン酸アミドが掃除屋のミクログリアを活性化させた
というのが上記のリンク先の報告となる。
オレイン酸アミドは
乳脂肪の分解時に発生したオレイン酸と乳タンパクの分解時に発生したアンモニアが結合したものだとされる。
他に発見された有効成分として抗炎症作用のあるデヒドロエルゴステロールもある。
※デヒドロとは、デが除去でヒドロが水素という意味なので、水素がいくつか抜けたエルゴステロールということになる。
オレイン酸アミドの方のWikipediaを読んでみると、
どうやら睡眠に関与する物質らしい。
脳内の老廃物を除去しつつ、良質な睡眠を誘導するのがオレイン酸アミドというところだろうか。
チーズには様々な知見が詰まっているものだとつくつく思う。