唐突だけれども、
河出書房新社から出版されている新しいワインの科学という本を読んでいる。
植物生理学で博士号を取得した方が書いたワインの本だ。
私自身、ワインを飲む習慣はないけれども、最近ワイン関連の方と出会う率が増えたことと、ワインの話題が挙がるようになったので、ワイン関連で近い内に何かありそうだということで読み始めた。
ワインの冒頭はここまでにして、
前回の丹波の黒大豆の黒い色素で触れた丹波の黒大豆の黒い色素についての続きを記載する。
黒大豆の色素はプロアントシアニジンというポリフェノールであるらしい。
このポリフェノールに関してWikipdiaに記載されている内容を確認してみると、
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ブドウ種子抽出物にはプロアントシアニジンが含まれ、抗酸化活性、動脈硬化抑制作用、心臓保護作用、抗ガン作用などを有することが報告されている。
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と記載されていた。
これを踏まえた上で、冒頭のワインの本の話題に移る。
ワインには赤ワインと白ワインがあるけれども、その原料には赤いブドウと白いブドウがある。
赤いブドウと白いブドウの大きな違いは、今までの話からまとめるとプロアントシアニジンの有無に因るものだと予想できる。
プロアントシアニジンはポリフェノールであるため、光合成産物である糖からアミノ酸が出来て、アミノ酸がチロシン等の芳香族のアミノ酸になって、更に様々な酵素が関与することでプロアントシアニジンが合成される。
プロアントシアニジンの合成以外でも糖やアミノ酸の合成でも沢山の種類の酵素が関与する。
この内容に関して冒頭のワインの本では白ブドウのことを下記のように記載している。
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果皮の黒色や赤色は、アントシアニンという赤い色素から生じている。この色素の合成は複数の遺伝子によってコントロールされている。(途中省略)レトロトランスポゾンと呼ばれる特定のDNA配列が、その遺伝子のひとつを発言させないようにしている
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※河出書房新社 新しいワインの科学 29ページより抜粋
要約すると、光合成産物からプロアントシアニジン(抜粋した文中ではアントシアニンと記載)を合成する際に関与する様々な酵素の内、一つだけ働かなくなったことで赤い色素は合成できなくなった。
ということになる。
ワインの色素の話を元に再び、
momokaphotoさんによる写真ACからの写真
黒大豆と黄大豆の前回の話に戻すと、進化論的に見て、大豆の色は元々黒だったけれども、育種の過程で色素の合成の酵素のいくつかがなくなって黒い色素が合成できなくなった。
ということだろうか?
この話を検証する為に、素晴らしい植物があるけれども、それはそのうち記載するかもしれない。