前回の褐色のバッタの記事まででバッタの色素を見てきた。
バッタの緑色はヘムを分解したビリン系色素に因るもので、
褐色はメラニンに因るものでありそうだ。
ここで本題に戻り、花に擬態するカマキリ(バッタ目)がいて、それらの色素は一体何なのだろう?という疑問にふれる。
※掲載できる写真がないので、気になる方はランカマキリで検索してみてください。
ランカマキリの色素で検索をしてみたら、KAKEN — 研究課題をさがす | ピンクのカマキリはどうやって生まれたか:花に擬態するランカマキリの体色進化の解明 (KAKENHI-PROJECT-23657162)の概要で、キサントマチンに因るという記載があった。
キサントマチンとは何だろう?と検索をしてみたら、
RNAseqから明らかになった昆虫の色素合成と色覚の新知見 化学と生物 Vol. 54, No. 6, 2016にたどり着いた。
内容を読み進めると、キサントマチンはオモクローム系色素の一つとして扱われていて、他に昆虫でよく見られる色素として、メラニン色素とプテリジン系色素があるとのこと
オモクローム系色素は赤色、赤褐色や紫色と
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色相でいえば、右下あたりの色となる。
メラニンは飛ばして、プテリジン系は白色、黄色、赤色と色相でいえば、右上あたりになる。
話はランカマキリのピンクの色素のキサントマチンに戻る。
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経路は端折るけれども、キサントマチンはアミノ酸の
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トリプトファンのインドール環(左側の六角形と五角形)の五角形が開閉しつつ酸化縮合したもので、還元型がピンク色の色素となっている。
色素を検索する前は、
カマキリがピンク(厳密には紫が薄くなったもの)の花の花弁を昆虫がかじって、その色が移ったのかな?と予想していたけれども、どうやらそれは違うらしいな。
※ピンクの花弁の色素はアントシアニンに因るもの