稲作では一発肥料というものがある。
その名の通り、最初に一発肥料を入れたら、肥料の方で適切な時期に適切な量が溶けて肥効を示し、追肥等の作業をなくすことができる。
この話を進める前に肥料の前提を挙げておくと、肥料は水に溶けてはじめて効く。
水に溶けなければ肥効を示さないので、乾燥しているところに肥料を置いても雨が降らない限り効くことはない。
※土が保水性を持っていたら、土の水分が肥料に移って溶けて効くということはある
一発肥料は初期生育用の速効性の肥料と徐々に溶け出す遅効性の肥料を組み合わせて、
上記のような肥効を示すようにする。
窒素成分に視点を合わせ、速効性であれば稲作はアンモニア態窒素で供給するから
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尿素が含まれているものをよく見かける。
※尿素は土壌中の微生物によって分解される必要があるから、厳密な意味では速効性ではない
緩やかに効く(緩効性)肥料の方は主に2つのパターンがある。
一つはBB肥料等で見かける黄色い粒のもので、樹脂膜によって被覆された被覆肥料というものがある。
尿素等を樹脂膜で包み込んで、水に触れる事によって徐々に樹脂膜を溶かして、少しずつ肥料成分が出てくるもの。
緻密な計算によって肥効をコントロールできる為、安定的な肥効を示す。
もう一つは油かす等の有機質肥料がある。
※一発肥料では革粉をよく見かける
有機質肥料は施肥した直後は効きがなく、土壌の微生物によって分解されることで肥効を示す。
土壌環境によって分解される速度が変わってくるので肥効は不安定ではあるが、単肥と比較して複雑な成分なので食味の向上に関与したりする。
今回紹介した肥料を蓄積された知見から絶妙なバランスで組み合わせたものが一発肥料となり、組み合わせによって肥効が異なる。
一発肥料にはシグモイド型とリニア型という2つの名称があるけれども、それは次の記事で書くことにする。