前回のイネの養分転流を見るの記事で、サイトカイニンの役割の一つである養分転流について見た。
要約するとサイトカイニンを塗った葉に、古い葉から養分が移動する。
<a href="//commons.wikimedia.org/wiki/User:Edgar181" title="User:Edgar181">Edgar181</a> - <span class="int-own-work" lang="ja">投稿者自身による作品</span>, パブリック・ドメイン, リンクによる
サイトカイニン自体は農薬の成長調整剤として購入できるので、養分の移動だけ把握しておけば十分だけれども、更なる応用の可能性を得たいので、サイトカイニンの働きを更に突っ込んでみる。
講談社から出版されている新しい植物ホルモンの科学 第3版のサイトカイニンの栄養分の分配調整の節に記載されている内容によると、サイトカイニンはシンクと呼ばれる器官の細胞壁インベルターゼを活性化して、シンク強度の増強を促すと記載されている。
上記の説明で新たな用語が二個出てきた。
先にインベルターゼについて触れておくと、
ハチミツの美味しさを探る上でインベルターゼが重要であるはずの記事で、インベルターゼは二糖であるショ糖を単糖のブドウ糖と果糖に分離すると記載した。
二糖を単糖二個にすることで、分子の個数が2倍になるわけで濃度が高くなる。
※濃度の話の場合は質量ではなく、個数が大事。二糖も単糖二個も質量でいったらほぼ同じなのがややこしい。
この内容を踏まえると、サイトカイニンはシンクと呼ばれる器官の濃度を高める働きをしていることが分かり、
濃度を高めるという事は浸透圧により水の移動に関与していることが予想できる。
話を少し戻し、サイトカイニンはシンク強度の増強に関与するとのことだったが、おそらくシンクと呼ばれる器官に養分が溶けた水を移動させる事なのだろうけれども、シンク器官とは一体何なのだろうか?
次回の記事でシンクと今回登場しなかったソースというものを整理してみる。
-続く-