先日、テレビのニュースで田から排出される温室効果ガスの量が多く、温室効果ガスの発生を抑える技術が急務という旨の内容が報じられていた。
ここでいう温室効果ガスはメタンのことで、田に未熟な有機物がある状態で水を張り、嫌気の状態が続く事によって、メタン生成菌により有機物からメタンが生成される。
中干しをしないことが稲作の利益率を高める確信を得たの記事で田の物理性を改善することにより、メタンの生成と埋没炭素量や燃料の使用量を天秤にかけて温室効果ガスの固定量が多いのではないか?という予想が前提となっている。
冒頭の田から温室効果ガスが発生するという内容には続きがあって、主な排出国が東南アジアとなっていた。
たまたま身近に東南アジアで稲作を経験したことがある人がいるので聞いてみたら、
湿田で多毛作だから、日本の年に一作とは勝手が違うよと。
写真のように棚田であったら、水を抜くことがないので、必然的に湿田になる。
話をしてくれた方のところでは稲作で土作りのような作業を行うことはなかったそうだ。
※稲作の肥料は牛糞を利用していたそうだ。強力な温室効果ガスである一酸化ニ窒素の発生源となる。
物理性の向上 + レンゲ栽培 + 中干しなしの稲作の新たに生じた課題
世界の情勢を見ると、稲作からの温室効果ガスの排出の傾向の煽りを受け、日本でも何らかの制約を受けてしまう可能性は大いにあり得る。
中干しのような定期的に酸化と還元の環境を繰り返すことでバッシングを受けにくくなるだろうけれども、そうなると猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討するの記事で記載したように、これから増えるであろう夏場の猛暑日に対する一手を失ってしまうことになる。
なんとも難しい局面にいるものだなと。
とりあえず、日本の棚田から田に対して深い理解をすべきだということはわかった。
追記
湿田に対する用語として乾田がある。
乾田は水管理が徹底出来て、田から水を抜く事が出来る。
田から水を抜き、土を硬くすることで、耕運機や収穫機の利用を可能にする。
他に物理性を改善できる土壌改良材を多投する機会も設けられる。