最近、大量に土壌分析の結果を見る機会があって、腐植とある要素に何らかの相関があるように見えた。

その相関の話は置いといて、


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穴を掘ると黒い層が厚くなっていた


腐植はどのように測定しているのだろう?という事が気になったので、早速検索をしてみることにした。




帯広大学の教員だった方が作成した資料がわかりやすかったので、その内容を参考にして調べていくことにする。

土壌作物栄養学15_土壌診断の方法 - Time Travellerによると腐植=土壌の有機物(炭素化合物)だと捉え、

・土色による簡易判定

・チューリン法(重クロム酸酸化・滴定法)

・乾式燃焼法(機械分析)

があるらしい。


一番目のものは目視が入るため、正式な結果としては採用されていないとして、他の2つを調べてみることにする。

チューリン法で検索をしてみたら、佐藤一弘等 乾式燃焼法およびチューリン法によるたい肥等の有機質資材中の炭素含有率分析の差異 - 日本土壌 肥料学雑誌 第72巻 第6号 p.780〜782 (2001)にたどり着いた。


上記の読み物を読むと、乾式燃焼法が一般的になりつつあるらしいので、チューリン法は触れないでおく。




石塚成宏等 乾式燃焼法を用いた土壌と堆積有機物の炭素・窒素量分析の注意点―スミグラフNC-22Fを用いて― 森林立地62(2),101~106 2020によると、密封した容器に土を入れ、酸素ガスを注入した後、830℃で完全燃焼させる。

燃焼の際に発生した二酸化炭素と窒素および窒素酸化物を採取する。

窒素酸化物は還元して窒素にする。


得られた二酸化炭素と窒素を熱伝導度検出器(TCD)ガスクロと呼ばれる装置にて測定するというのが流れらしい。

この測定方法では不完全燃焼等で正確な測定は難しいらしいが、大まかな値でも十分約に立つので良しとする。


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