とろろの各種効能は何由来か?の記事でとろろの有効成分について触れ、デンプンの分解酵素(アミラーゼ等)、コリン、サポニンと食物繊維があるという内容を記載した。
上記の成分で触れていないのはコリンのみで、コリンについてまとめられているものはないか?と検索をしてみたら、大久保剛 - コリン化合物の重要性と運動機能への影響 - オレオサイエンス 第20巻第4号(2020)にたどり着いた。
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コリン(C5H14NO)について最も触れておくべきことは、アメリカのFDA(食品医薬品局)ではコリンをビタミン様物質として扱っている程重要な栄養素ということ。
コリンの役割は大きく分けて3つで、
・生体の細胞膜の構造の維持
・神経伝達物質のアセチルコリンの前駆体
・メチル基の代謝系で関与(アミノ酸のメチオニンの合成に影響がある)
前回のとろろを摂取することで記憶力が増すというのは、上記二番目のアセチルコリンの前駆体の箇所が関与している。
コリンは脳の記憶中心(海馬)、脳の発達に重要な役割を果たす。
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アセチルコリンといえば、高校生物あたりからチラホラと目に付き始める神経の末端で情報のやりとりをする大事な物質で、農薬の殺虫剤でもアセチルコリンをターゲットにするものが多い。
脳が何らかを記憶する時に神経が活発になり、その時にアセチルコリンが関与するそうだ。
コリンには他にも見るべき話題はあるが、それは別の機会