腎臓での重炭酸イオンの産生までの記事で、アミノ酸のグリシンからクレアチンを経て無酸素性運動について触れた。
話は生体内でのグリシンの役割の記事まで戻って、生体内のでグリシンの役割の最後の項目であるプリン体について触れる事にしよう。
プリン体という言葉を聞くと、
※写真はビールの香りと植物のタネから
ビールを飲むとプリン体が溜まり、痛風の原因に繋がるといった話題をよく見聞きする。
ビールから何故痛風に繋がるのか?といった疑問は当然あるが、その前にそもそもプリン体とは何か?は知っておくべきなので、プリン体から見ていくことにする。
プリン体というのはプリン骨格を持った核酸塩基のことを指し、プリン塩基と呼ばれる。
プリン骨格というのがそもそも何なのか?
selfmade by cacycle (en:User:Cacycle),modified on March 31, 2005 from the previous version to add a missing electron pair on the # 3 atom (a nitrogen). H Padleckas 13:42, 31 Mar 2005 (UTC) - http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Purine_chemical_structure.png, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
プリンは分子式がC5H4N4の複素環式芳香族化合物の一種で、中性の水には溶けにくく、酸性やアルカリ性でよく溶ける物質を指すそうだ。
化学式を眺めているだけでは、最も単純なアミノ酸であるグリシンから何故プリン?と思いたくなるが、プリンの代謝を見ていくと、グリシンも関与しているのねと思いたくなる。
というわけで、プリンの代謝を見てみると、
Kelvinsong - 投稿者自身による著作物, CC0, リンクによる
プリンの合成にグリシン(glycin)が関与している事がよくわかる。
ちなみに、glutamineがグルタミン、aspartic acidがアスパラギン酸でformateがギ酸を指す。
現時点でわかることとして、グリシンはプリン合成の材料であって、グリシンの摂取のみではプリンの合成には繋がらないということ。
とはいえ、プリン体が健康の話題で頻繁に出てくるので、プリン体についてもう少し見ていくことにしよう。