必須アミノ酸のリノール酸の働きを見てみるの記事で必須脂肪酸の多価不飽和脂肪酸であるリノール酸の働きを生化学の観点から見てみた。

前回の内容の末尾でリノール酸の過剰摂取についての話題を挙げているが、一旦、もう一つの必須脂肪酸であるα-リノレン酸について触れることにする。


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α-リノレン酸は3個の二重結合を持つ多価不飽和脂肪酸である。

リノール酸から合成されるγ-リノレン酸(必須脂肪酸ではない)とは二重結合になっている炭素の位置が異なる。


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※上の写真はナタネ油のイメージ 採油は種子から行うので花は関係ない


α-リノレン酸はナタネ油やシソ科のエゴマに多く含まれているそうだ。

α-リノレン酸もγ-リノレン酸同様、リノール酸から合成されるが、人体でα-リノレン酸の合成に関与する酵素は持っていないので、この反応は植物や微生物での話になる。


人体内でのα-リノレン酸の働きは大きく分けて、


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エイコサペンタエン酸(EPA)経由でエイコサノイドが生合成され、筋細胞や血管に作用するのと、

エイコサペンタエン酸 - Wikipedia


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ドコサヘキサエン酸(DHA)の生合成の材料になる。

ドコサヘキサエン酸 - Wikipedia


DHAの興味深い働きの一つとして、脳関門を通過するという事があるらしく、脳や網膜のリン脂質に含まれる主要な脂肪酸であるそうだ。

DHAの働きに脳神経の機能維持や視力に関する事が記載されているのは、脳関門の通過からきているようだ。


前者のエイコサノイドの話題から、α-リノレン酸にも過剰摂取の話題がありそうだ。