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沖縄の山原(ヤンバル)の大宣味村(くにがみ)の山の少し入ったところに行ってきた。

目的は緑色片岩を探し、その下の土の色を確認すること。

く溶性苦土と緑泥石


以前、沖縄の土を考えるの記事で亜熱帯に位置する沖縄では土に有機物を施してもすぐに消費され、有機物の保護がない粘土鉱物は風化で有機物の蓄積能力が低下して、土に有機物が蓄積しにくいという内容を記載した。


これは緑色片岩を母岩とする土でも同様のことが言えるのか?

その疑問を解消するために地域の方と川の少し上流を目指した。

ジャーガルとサトウキビ


この話の前に事前に見た資料を紹介しておく。

大石林山 沖縄石の文化博物館(PDF)


上記PDFによると大宣味村の石に緑色片岩の名前が記載されている。




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緑色片岩は注意深く探す必要もなく、至るところにあった。


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中には風化が進んでいて、もうすぐ土になるといったものも見られた。

これは塩基性の暗赤色土であるはずだ。

暗赤色土周辺の地域資源を活用する


緑色片岩がたくさん見つかったことだし、本題の緑色片岩の下に堆積している土を見てみると、


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団粒構造がしっかりと形成したようなフカフカの土(ここではホロホロと呼ぶらしい)があった。

この場所のすぐ近くには畑もあり、適切に管理すれば土壌中に有機物が蓄積するかもしれない。




余談だけれども、案内して頂いた方から下記のような話を聞いた。

この地域では以前は稲作をしていたらしいが、稲作は豊作で食うに困らなかったので来る人拒まずの習慣があったらしい。

この話では上流域に緑色片岩があったことの影響は大きいはずだ。


緑色片岩のある場所にいくと、素晴らしい話と出会えて最高だ。




もう一つ余談で、この地域では緑の石は硬くて取り扱いが大変だと言っていた。

そりゃあ、低温低圧とはいえ、プレートの圧力を受けて変成した岩だからね。

比較的硬い岩に分類されるだろう。

吉野川で緑泥片岩探し


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