古事記に記載された尾津岬の一本松を想像するまでの記事で日本人がマツを特別な木のように扱っている内容について調べていることについて記載した。
特別視(神格化)している内容としては、上の写真のように他の木が生息できないような砂浜のような養分の少なく、潮の影響を受けやすい場所でも成長出来る事があった。
ある程度植物学を学ぶと、これは森の中心や河原といった植物にとっての激戦地から追いやられたというイメージが強いが、それは一旦置いておく。
強さの象徴である海岸でマツが成長出来るのは、マツの根圏で菌根菌と共生していて、他の植物が得られないような養分を砂から得ていると考えられている。
海岸のマツといえばクロマツで、クロマツと共生する菌根菌といえばショウロあたりだろうか。
クロマツと一緒に生活するきのこ「ショウロ」の栽培 - 鳥取大学大学院 連合農学研究科
ここで気になるのが、
海岸の砂といえば、石英(SiO2)等の頑丈で(植物にとっての)栄養がない鉱物が主で、菌根菌がいても砂浜の鉱物から有用な養分を吸収できないのでは?と思ってしまう。
実際のところ、どうなのだろうと。
マツで有名な三保松原の砂の構成を調べてみることにした。
株式会社誠文堂新光社から出版されている須藤定久 写真でわかる特徴と分類 世界の砂図鑑を開いてみると、
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構成粒子は砂岩、頁岩、チャート片などからなり、花崗岩、石英や長石が少量混じる
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と記載されていてた。
花崗岩があれば、真砂土の環境で得られる養分はあることになるが少量であるため、冒頭の写真のような大木まで成長できるのが不思議に感じる。
個人的なイメージとしては、カリ多めでマグネシウム少なめ。
微量要素もおそらく少なめ。
となると、マツにとっての養分が豊富に含まれているのは頁岩か?
頁岩というのは泥が固まって出来た泥岩が更に圧力によって固まった岩を指す。
泥には粘土の他に有機物等も含まれていて、有機物に付着した微量要素もあるかもしれない。
他にマツにとっての栄養を考えてみると、もしかしたら海水に含まれるミネラルも重要かもしれない。
クロマツと共生している菌根菌が海水から養分を吸収していたら面白いのだけれども、実際のところはどうなのだろう?