今回は水田のメタン発生を抑制する為の鉄剤を考えるの続き。


Slag

松岡明芳 - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる


水田のメタン発生を抑制するために鉄鋼スラグが有効であるか?というお題に対して、本当に有効であるか?を判断するために鉄鋼スラグについて整理していくことにする。


鉄鋼スラグ協会が発行している鉄鋼スラグとは?の資料によると一般的に肥料として用いられるスラグは製鉄スラグの電気炉系スラグの内の還元スラグになるらしい。


スクラップ + 合成鉄 + 生石灰を混ぜて電気炉で取鍋精錬炉で得られた還元スラグを冷却したものが肥料用の鉄鋼スラグになるらしい。

他のスラグと異なり、クラッシャーの処理過程がない分だけすぐに肥料として利用できるようだ。


この還元スラグの成分を見てみると、

鉄鋼スラグの組成例(単位:%)
CaO55.1
SiO218.8
T-Fe0.3
MgO7.3
Al2O316.5
S0.4
P2O50.1
MnO1.0

鉄鋼スラグとは?を参考にして作成


半分以上が生石灰(CaO)になっていて、様々な鉄の合算(T-Fe)が0.3%とほとんど含まれておらず、肥料用の鉄鋼スラグはケイ酸を含んだ石灰肥料という位置づけで有ることがわかった。


冒頭のお題の鉄鋼スラグで水田のメタン発生を抑制するために鉄鋼スラグが有効であるか?についての返答は有効でない可能性が高いということになった。




余談だけれども電気炉系スラグの酸化スラグの組成例を見ると、

鉄鋼スラグの組成例(単位:%)
CaO22.8
SiO212.1
T-Fe29.5
MgO4.8
Al2O36.8
S0.2
P2O50.3
MnO7.9

鉄鋼スラグとは?を参考にして作成


鉄が生石灰よりも多く、こちらであれば水田で使えそうだ。

こちらはスラグの冷却後にクラッシャーという過程があるが、この過程の労力がどれ程なのか?わからず、肥料として利用の判断はできない。


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