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米ぬか嫌気ボカシ肥の成功のサインの香り化合物についてで米ぬか嫌気ボカシ肥作りをしているという内容を記載した。


米ぬか嫌気ボカシ肥作りがうまくいった時のサインとして良い香りがあるのだけれども、その化合物のうちの一つの酪酸エチルについて見た。


これは酪酸菌(細菌)の合成する酪酸と、酵母(真菌)が合成するエタノールを、主に酵母の働きによって酪酸とエタノールを結合することで合成される。


今回は米ぬか嫌気ボカシ肥作りがうまくいかなかった時のサインである悪臭について見ていくことにする。




米ぬか嫌気ボカシ肥作りに失敗した時に発せられる悪臭は主にアンモニア、硫化水素と酪酸等の低分子のカルボン酸(有機酸)がある。


仕込み時に加える水分量が多いとこれらの悪臭が発生しやすくなる。

これらの悪臭について見ていくことにしよう。




逆順になるが、酪酸がわかりやすいので酪酸から見ていく。


Butyric_acid_acsv


酪酸は前回の記事で良い香りの材料として扱った。

酵母が活発化する事で、酪酸とエタノールが結合して酪酸エチルという良い香りになる。


であれば、酪酸が過剰に合成されるか、酵母が動けなくて酪酸エチルを合成できない状態であれば、米ぬか嫌気ボカシ肥から悪臭が放たれる。


酪酸菌が優勢になる環境は水分量が多い状態で、酵母も一応酸素がない状態で増殖する事は出来るらしいが、酪酸菌は酵母を上回る形で増殖するそうだ。


だから米ぬか嫌気ボカシ肥作りの際に水分量の調整が最重要となることがわかる。

米ぬか嫌気ボカシ肥の発酵中に良い香りの化合物が合成される時にも少量の水が発生してしまうため、多少発酵を遅くしてでも水分量は少な目であるべきになるのは酪酸菌の活性を抑えるという事からきている。