今回は米ぬか嫌気ボカシ肥の失敗のサインの悪臭化合物についての続き。
前回の記事では米ぬか嫌気ボカシ肥作りで失敗した場合のサインの酪酸について見た。
今回はアンモニアについて触れていく。
前提知識として、米ぬかには10%前後のタンパクが含まれている。
このタンパクは嫌気環境下であっても微生物の働きによって、ペプチドを経てアミノ酸になる。
アミノ酸の一般的な構造は上の図であれば、左側にアミノ基(-NH2)があり、右側にカルボキシ基(-COOH)がある。
※ Rを側鎖と呼び、様々な形が入り、入った形によってアミノ酸の名称が変わる
※ RにHが入った場合はグリシンと呼ぶ
主に水が多い場合に、アミノ酸の脱アミノ化(脱アミノ反応)が起こる。
R-CH(NH2)COOH + H2O → R-CH-COOH + NH3 + 2H+
他にも起こり得る反応はあるが、とりあえず水が多いとより嫌気環境に向かい、酵母の活性が落ち、腐敗菌が活発になることで、容器の中にアンモニアが蓄積することになる。
ただ、今回見た反応は吸水している反応なので、反応がある度に容器内の水は減ることにはなっている。
真菌は無機窒素を利用するか?の記事で見たように、酵母も無機窒素を利用できれば、水分量さえ適切に管理されていれば、アンモニアが発生したり消失したりを繰り返すのだろうなと。