
メイラード反応の産物のピラジンについてまでの記事でメイラード反応で生成される2,5-ジメチルピラジンの生成までを見てきた。
ジメチルピラジンの合成を理解する為に検索をしていた時に興味深い内容を見かけたので、今回はその内容をメモとして残すことにする。
その内容というのが、

枯草菌(細菌)の一種の納豆菌がメイラード反応とは異なる反応(代謝)からジメチルピラジンを合成している可能性があるというものだ。
筒浦さとみ等 納豆中の2,5-ジメチルピラジンと 2,3,5-トリメチルピラジン生成における納豆菌の関わり - 日本家政学会誌 Vol. 73 No.1 39~49(2022)
メイラード反応でジメチルピラジンを合成する際に、

図:アミノアセトン | 化学物質情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
メイラード反応の初期段階でアミノアセトンを合成して、そこからアミノ基(-NH2)が外れて二量化することでピラジンが合成されるという事があったが、納豆菌ではアミノ酸からピルビン酸の合成の途中でアミノアセトンが合成される事があるそうだ。
出処の信用性の問題はあるが、ジメチルピラジンがとある植物に病原性のある細菌に抗菌作用があるという内容があり、納豆菌の話題でも似たような事を見聞きしたことがあるが、納豆菌の代謝でアミノアセトンが合成されるという内容がこれらの事を指しているのか?と思えてきた。
メイラード反応で生成される他の化合物についての理解も深めていけば、今回のような興味深い内容に出会える可能性が増えるかもしれないな。




