

鶏糞の処理で消臭剤として鉄の散布は有効か?の続きの記事で、鶏糞を含めた家畜糞の処理中で鉄粉を散布したら悪臭発生を抑制できるか?という内容に対して、硫化水素の発生に対して何らかの反応を示す可能性があるという内容を記載した。
硫化水素に続き、見ておきたい臭気として、低級脂肪酸で揮発性脂肪酸である

プロピオン酸 (CH3CH2COOH)と鉄の反応について見ていきたい。
プロピオン酸は酸味系の不快な腐敗臭として有名な化合物になる。
プロピオン酸はカルボキシ基(-COOH)を持つカルボン酸という一面をもつ為、クエン酸程ではないが塩(えん)を溶かす酸としての特徴を持つ。
プロピオン酸に鉄を散布すると下記のような反応が考えられる。
Fe2O3 + 6CH3CH2COOH → 2(CH3CH2COO)3Fe + 3H2O
でプロピオン酸鉄として揮発性の低い有機酸と鉄の塩となる。
揮発性が低いということは人の鼻ではプロピオン酸を臭いとして認識できないというわけで、結果的に悪臭発生の抑制となる。





