Alum


焼きミョウバンの消臭作用の記事で、焼きミョウバンが持つ消臭作用について見てきた。


消臭作用を踏まえた上で、


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米ぬか嫌気ボカシ肥作りで焼きミョウバンを入れることを考えてみたが、発酵に失敗(腐敗)した時に入れる事がぐらいしか添加するタイミングぐらいかという内容で締めた。


ここでちょっと米ぬかの腐敗について整理してみることにしよう。




米ぬか嫌気ボカシ肥の失敗のサインの悪臭化合物について米ぬか嫌気ボカシ肥の失敗のサインの悪臭化合物についての続きの記事から悪臭について再び触れてみる。


米ぬかの発酵で注目すべき有機化合物は

・炭水化物(デンプン)

・脂質

・タンパク


デンプンと脂質の発酵は下記の通り

・好気環境

デンプン → ブドウ糖 → ピルビン酸等の有機酸 → 水 + 二酸化炭素
脂肪 → 脂肪酸 → ピルビン酸等の有機酸 → 水 + 二酸化炭素

光合成からアミノ酸の合成へ


・嫌気環境

※ピルビン酸まで共通だとする

乳酸発酵:ピルビン酸 → 乳酸
酪酸発酵:ピルビン酸 → 酪酸
アルコール発酵:ピルビン酸 → アルコール + 二酸化炭素

乳酸発酵や酪酸発酵では米ぬかに含まれる水のpHが下がる(酸性になる)


タンパクの発酵は下記の通り

・好気環境

タンパク → アミノ酸 → α-ケト酸 + アンモニア → 水 + 二酸化炭素

※α-ケト酸からピルビン酸になり、後はデンプンと共通


ここで注意なのが、アミノ酸の時点で発酵に関与する微生物の体内に取り込まれるので、環境条件によってはα-ケト酸以降の反応は起こりにくかったはず。


タンパクの嫌気発酵はデンプンのピルビン酸以降の反応と共通の為省略する。




ここで注目すべきは、タンパクからα-ケト酸になる反応が多くなると、アンモニアがたくさん生成されてpHが上昇する可能性がある。


このタイミングで焼きミョウバンを入れると消臭効果を発揮しそうだが、更に腐敗が進み、酪酸発酵が進むとpHが下がるので悪臭の原因が酪酸寄りになるため、焼きミョウバンの消臭作用は期待できなくなる。


いや、酪酸とアルミニウムで酪酸アルミニウムという塩(えん)になり、無臭になりそうだけれど、実際のところはpHが下がった環境でミョウバンは都合良く溶けてくれるのだろうか?