石灰窒素を施肥した後にアルコール飲料を摂取してはいけないのか?の記事で、石灰窒素ことカルシウムシアナミドを施肥した後にアルコール飲料を摂取してはいけないと言われる事について見始めた。
カルシウムシアナミドは水に溶けるとシアナミドと消石灰に分かれ、シアナミドが体内に入ると、過酸化水素によって酸化(カタラーゼ)され、ニトロキシル(HNO:ナイトロキシルと呼ぶ方が推奨されている)になる。
このニトロキシルに関して、Wikipediaに記載されている内容を読んでみたら、
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ニトロキシルはチオールのような求核剤に対して非常に反応性が高く
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という内容が記載されていたので、この内容について更に深堀りしてみる。
チオールとは何か?だけれども、チオールと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、

タンパクの三次構造の際の結合の記事で記載しているチオール基(-SH)を持つアミノ酸のシステインだろうか。
上記の内容から改めてチオールについて触れておくと、チオールはチオール基を持つ化合物を指し、システインもチオールだ。
生化学的視点では、チオール基は何かを引き付けるといった特徴があり、


ビタミンを理解する為に補酵素を知るの内容で触れている酵素の鍵穴(アロステリック部位)と鍵(基質)のうち、鍵穴の方でチオール基を含む化合物が組み込まれている。
ニトロキシルが酵素の鍵穴の箇所にあるチオール基と反応して形を変えてしまったら、酵素は意図通りの働きが出来なくなる。
ニトロキシルによって働けなくなった酵素が、生物が生きる上で超重要なものであったら、それは十分毒性があると言える。
ニトロキシルが潰す酵素として、アルコールデヒドロゲナーゼという酔いを軽減する酵素が有名であるらしいので、石灰窒素を施肥後にアルコール飲料の摂取は控えるという話に繋がっているそうだ。




