JAやつしろでの栽培者向けの肥料設計の勉強会にて、養液栽培への移行が盛んで、今は土耕で養液栽培だけれども、徐々にロックウールを培地とした養液栽培へと移行していくという状況らしい。
そんな中で、土の基礎を掘り下げていくことに価値があるのか?
鹿児島で肥料関係の業者向けに話した無機肥料の肥効の規則の話を重点的にするべきなのか?
それらを判断するためにはまずはロックウールを知るべきという事で、今回はロックウールについてまとめてみる。
By D-Kuru - 投稿者自身による作品, CC BY-SA 3.0 at, Link
まずはWikipediaから抜粋
ロックウールあるいは岩綿(がんめん)とは玄武岩、鉄炉スラグなどに石灰などを混合し、高温で溶解し生成される人造鉱物繊維である。(途中省略)主成分は二酸化ケイ素と酸化カルシウムで、単繊維径は3 - 10μm。
次にスラグもWikiepdiaから抜粋しておく
スラグ(slag)あるいは鉱滓(こうさい)は、鉱石から金属を製錬する際などに、冶金対象である金属から溶融によって分離した鉱石母岩の鉱物成分などを含む物質をいう。スラグは、しばしば溶融金属上に浮かび上がって分離される。
冶金(やきん)とは、鉱石その他の原料から有用な金属を採取・精製・加工して、種々の目的に応じた実用可能な金属材料・合金を製造すること。
ざっくりまとめると、鉄が多めの岩石(玄武岩)から鉄を取り出した後の産廃に石灰を添加して固めたものか。
有用な金属を取り出したということで、二酸化ケイ素を多量に含むということは納得。
土質のイメージとしては、石灰質多めのチャートを母岩としたところの土に近いのかな?
ロックウールの化学的性質は、構成の80%が二酸化ケイ素と酸化カルシウムになっているため、CECはほぼなく、緩衝性もほぼない(酸化カルシウムによりpHは常に高め)、繊維状なので空気の層が多めとなって、作物に対して養液を継続的に流し続ける栽培にはうってつけの特徴を持っている。
栽培用のロックウールでは、pHが高くならないようにpH調整が事前に行われていて、それで緩衝性を持つとなっている。
水耕栽培中に生育が悪くなれば、ロックウールと養液ごと廃棄してリセットということが出来る。
となるとだよ、水耕栽培中に流している無機肥料について向い合っていく必要があるだろうなと。
これは水耕栽培で利用する肥料のリストを得た時にでも改めて書くことにしよう。