保肥力とは、土壌がどのくらい肥料分を保持できるかということをさします。
それを測る数値として、陽イオン交換容量(CEC)というものがあります。
土壌中には、粘土鉱物や腐植が含まれ、これはマイナス(-)の電荷を帯びています。
一方肥料の中で養分として植物に吸わせたいカルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)はプラス(+)の電荷を帯びています。
よって、土壌中にマイナス(-)の電荷を帯びているものが多ければ多い程、プラス(+)の電荷を帯びている養分が
土壌中に保持されやすいと言えます。
この土壌中のプラスの電荷を保持できる力の容量をCECと呼び、CECが大きい程、肥沃度の高い土壌と言われます。
通常、乾土100g当たりの陽イオンのミリグラム当量(meq)で表します。
日本の土壌では、CECは一般的に低く、数~40meq程度のことが多いです。
火山灰土壌では、アロフェンという鉱物が多く含まれますが、このCECは25meq前後のことが多く、CECが低いので肥料分が流れやすいといえます。火山灰土壌を想像したら、確かにさらさらした土ですぐに養分が流れそうですよね。
逆にCECが大きいものとして、バーミキュライトやモンモリロナイトとう粘土鉱物があげられます。
バーミキュライトでは、CECは、100~150meq/100gもあります。
鉱物以外には、腐植や植物繊維がCECが高いです。
なので、土作りを行う時は、植物性のバーク堆肥や腐植を多く含んだ堆肥、鉱物資材を利用すると保肥力が高くなるでしょう。
ちなみに、保肥力が高くなると、電気伝導度(EC値)があがりにくく、pHも安定しやすいという効果もあります。