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カテゴリー : 地形・地質/page-3

 

クエン酸による食味の向上は安易に用いて良いものか?の続き

クエン酸による食味の向上は安易に用いて良いものか?の記事で、クエン酸や酢酸の土壌への散布は根酸と同じような働きだと見立てて、土壌の鉱物からミネラル(肥料では微量要素と呼ばれる)の溶脱を起こし、養分を根に積極的に吸収しているはずだと記載した。ここで合わせて土壌の鉱物は有限ではなく、過酷な栽培を続けていると当然劣化するので、栽培時のクエン酸散布が食味の向上等に繋がるからといって安易に行って良いものだろうか?と問題提示した。ここでもう一点別の視点から話を続けてみる。畑の土の

 

縄文海進と大阪層群から闘鶏山古墳を考えてみる

前回の闘鶏野神社と闘鶏山古墳の記事で高槻にある闘鶏山古墳に徳島の阿波の青石があったという報告があることを紹介した。高槻という徳島から離れていて、更に大阪の中でも海から離れているところなのになんで?という疑問が残る。阿波の青石を海路で運搬したとしても高槻は遠すぎる。ここで2つのことが頭に浮かんだので、今回はその話。NHKのブラタモリという番組と以前投稿した佐賀平野は元々海だったかもしれないの記事で話題に触れた縄文海進という用語がある。縄文時代には今よりも

 

闘鶏野神社と闘鶏山古墳

大阪府高槻市の氷室にある闘鶏野神社(つげのじんじゃと読む)に行ってきた。この神社は不思議で、鳥居をくぐった後、そこそこの段数の階段を登ると、※写真は階段を登った後に後ろを振り向いて撮影名神高速道路の上を歩き、境内に到着する。神社の外に立てかけてある看板を読むと、/**************************************************************************/闘鶏野神社は、

 

高槻城跡で緑色の岩が朽ちるのを見る

大阪府高槻市の阪急高槻市駅から南に数分歩いたところに城跡公園という場所がある。以前この場所に建っていた城にはキリシタン大名で有名な高山右近がいたそうだ。高山右近 - Wikipedia城跡公園/高槻市ホームページ公園にはたくさんの滑り台等の遊具施設があり、子どもたちで賑わっていた。池もあり、亀、鯉や鳩がいて、池自体も子どもたちにとっては楽しいようだ。この公園を歩いていて気になったことがある。堂々と岩の先端にいるなと気になってこの鳩を撮影した

 

摂津峡で緑の石探し

米の美味しさは水の綺麗さというけれどの記事で米の美味しさは田に引いてくる水の質によるもので、その質は上流の山の岩の種類によって決まっているはずだと記載し、前回の記事では記載しなかったけれども、上流にかんらん石(または変成した蛇紋石)か緑泥石があることが重要であるとアタリを付けている。植物はどのようにしてシリカを吸収するか?蛇紋石という名の粘土鉱物緑泥石という名の粘土鉱物これらの物質で共通しているのが、比較的水に溶け出しやすいマグネシウムと水溶性のケイ酸になる。

 

阿波の青石と御影石

関西から淡路島を経て四国に上陸する際、兵庫県側にある明石大橋を渡り、淡路島の南部で大鳴門橋を渡り四国に上陸する。この2つの橋には淡路島側におしゃれなパーキングエリアがある。逆順になるけれども、まずは四国の鳴門大橋付近側にて。(おそらく)徳島産の石材である阿波の青石の石碑があった。阿波の青石これを踏まえた上で、明石大橋側のパーキングエリアに立ち寄った時に見た石碑を紹介すると、これは御影石(花崗岩)だろうか。御影石と

 

阿波の土柱

大歩危からの帰りに大歩危の三名含礫片岩阿波の土柱に立ち寄った。天下の奇勝「阿波の土柱」 | 阿波市阿波の土柱は株式会社誠文堂新光社 / 年代で見る 日本の地質と地形に記載されていたのでずっと気になっていた。土柱というのは今まさに侵食によって山が崩壊している最中で、脆い箇所から崩れている為、風化に強い箇所が柱として残っている。柱の先端を望遠で見ると、礫があり、崩れている箇所も礫が

 

礫岩の中に緑色の石

話は再び大歩危に戻る。大歩危の三名含礫片岩望遠で対岸を見ると、緑の大きな岩がところどころで転がっている。下流に向かうにつれ、緑色の岩が目立っていったように感じる。なんてことは置いといて、礫岩があった。礫岩というのは、石が堆積して固まった岩石のことで、上の写真の岩にも様々な石が入り込んでいる。礫岩の中に取り込まれている石の中で、割れた緑色の石があった。礫岩の中に緑色の石があるということは、礫岩の形成の前に緑

 

表面がうっすら茶色の扁平の石

前回の吉野川で緑泥片岩探しの記事で吉野川から持ち帰ってきた※石を顕微鏡で確認した内容を記載した。※国定公園から抜けたことを確認した後に石を拾っています一通り表面を確認して顕微鏡から離れた所で、5歳の息子が「父さんが拾いそうにない石として」持ち帰った石を見たいと引き続き見ていた。表面がうっすらと茶色になっている石今回吉野川に向かった石が緑泥片岩であったため、緑の石以外にはあまり意識が向かず、一人であれば到底持ち帰ることのない石だった。この石の

 

阿波の青石

徳島県の石材で阿波の青石というものがある。吉野川周辺の道路を走っているとよく緑色の石を見かける。徳島県の端の鳴門にあるインターチェンジでとても綺麗な阿波の青石があった。扁平化した緑色の岩が重なっているように見える。阿波の青石は緑泥片岩(緑色片岩)だ。吉野川で緑泥片岩探し緑泥片岩は綺麗なだけではなく、細長い形に加工しやすい特徴を持つため、古墳時代から古墳の石室等で使用されていることが多いらしい。この話は大阪の高槻で得た話なので

 

吉野川で緑泥片岩探し

前回の大歩危の三名含礫片岩の記事で徳島県の大歩危峡に訪れたことを紹介した。大歩危を訪れた理由はJAの栽培の指導書に2:1:1型粘土鉱物(クロライト:緑泥石)が栽培にとって有効であると記載されていたことで、緑泥石で有名な箇所を探していたら、吉野川の緑泥片岩が該当したので、実際に見てみたいということだった。緑泥石という名の粘土鉱物ここで大歩危という地名をしっかりと見てみると、歩くのが危ないと書いて歩危(ぼけ)と読むが、大股で歩くと危ないというのが一説にあるらしい。歩くのが

 

大歩危の三名含礫片岩

徳島県と高知県の県境付近の大歩危に行ってきた。高知県の四万十町農業者ネットワークさんで肥料の話をしましたで高知からの帰りに電車で関西に向かい際、車窓から大歩危を見た時に遠くからでもわかる程鮮やかな緑の岩がゴロゴロしていることに気が付いた。帰宅後、三波川変成帯の緑泥岩等の岩石である可能性が高いことを知り、秀品率に関する知見が大歩危にあるだろうと判断し、いつかここに来ようと決めた。く水性苦土と緑泥石という記事でも記載したけれども、三波川変成帯で栽培している方か

 

初春に畑を占拠するナズナたちに迫る

この時期になると思い出すことがある。栽培の師が「あの方の栽培はすごい」と評価していた方が言っていたことで、栽培しやすい土に近づくにつれて生えてくる草はハコベ、ナズナやホトケノザばかりになった。というものがあった。※夏までの話確かに思い浮かべてみると、京都農販の試験ほ場でも、最初は栽培者にとって厄介な草ばかりだったけれども、土を栽培しやすい環境にしてくれそうな草や上記で挙げた草ばかりになった。栽培環境は草達が教えてくれる作物が育ち

 

高槻の芥川にあった赤い石は何だろう?

最近、我が家では綺麗な石や不思議な石を探してくるのが流行っている。休みの日の前日にどこに行くかを決め、そこでどのような石があるかを予想する。摂津峡の巨岩を盾にして近所に摂津峡がある。例えばここでは、現地には花崗岩とホルンフェルスがあって、上流には砂岩、泥岩、チャート、石灰岩や緑色岩があることがわかっている。摂津峡のホルンフェルス高槻の原大橋付近のメランジュ枕状溶岩の空隙にはゼオライトが充填されているそんな中で息子が赤くて表面がザラザ

 

摂津峡の巨岩を盾にして

高槻にある摂津峡公園には摂津峡という渓谷があり、そこには巨岩がたくさんある。摂津峡公園/高槻市ホームページ川沿いの歩道の対岸にある山が花崗岩質の岩石であるため、花崗岩マグマが冷えた際の熱により形成されたホルンフェルスが観察出来る場所ということで、美しい景色以外でも見どころいっぱいの場所となっている。摂津峡のホルンフェルス巨岩の間を縫うように川は流れている為、巨岩の下には砂が堆積している。砂が堆積しているところをなんとなく眺めていたら、水際のとこ

 

生命の誕生と粘土鉱物

前回のホルモース反応の記事で単純な構造のホルマリン(ホルムアルデヒド)溶液に触媒を加えると自然発生する反応によって炭素数が5の糖が生成される反応に触れた。この時の触媒は水酸化カルシウム(消石灰)であった。この話を見た時にふと思い出したことがある。そういえば、粘土鉱物は触媒として働いて、何らかの物質の合成に関与していたなと。というわけで、粘土鉱物が触媒として関与して有機物を合成している事例がないか?検索してみることにした。橋爪秀夫著 粘土基礎講座Ⅰ- 生命の誕生と粘土 - 粘

 

根は地面を耕し土を形成する

土の形成において、根が土の固い箇所を砕き、根の表層が剥がれ、表層の粘着物が土の粒子を接着するという話がある。緑肥の効果の一つとして挙がる団粒構造の形成当たりがこの作用に依るものだろう。この時の粘着物というものが水溶性の食物繊維のペクチンは吸着能を持つの記事で触れた、植物が自身の体を丈夫にする時に利用するペクチンだと言われる。根の表層が剥がれることに関して興味深い研究報告があるので、その内容を紹介する。Control of root cap

 

水溶性の食物繊維のペクチンは吸着能を持つ

朝倉書店から出版されている栄養機能化学第3版 栄養機能化学研究会編集の本を読んでいる。人体にとっての栄養として糖質、脂質、タンパク質、ビタミンと無機質と家庭科で習う内容を高度にしたものの説明があり、その後に非栄養素の章へと続く。非栄養素とは栄養素ではないが、人の体の機能に大きな影響を与えるものをまとめたものとなっていて、食物繊維、オリゴ糖やポリフェノール等が記載されている。非栄養素にある食物繊維の箇所で気になる箇所があった。気になる箇所に触れる前に食物繊維についての定

 

実体顕微鏡で土と混ぜたコロイド化したベントナイトを見る

今回は実体顕微鏡で土と混ぜたベントナイトを見るの記事の続き。上記の記事では粘土鉱物の持つ吸着性が周辺の土壌粒子をくっつけて塊になっていることを見たことを紹介した。話は少し戻って、粘土鉱物の特徴を改めて挙げてみると、・(農学寄りの視点で)微粒であること (0.002mm以下の粒子)・鉱物学的性質の変動が著しい・層状珪酸塩鉱物・水を重要な成分として、OHもしくはH2Oの形で含まれる・イオン交換能、膨潤性、有機物その他との複合体形成能などを示すことが多い

 

土に生ゴミを埋めるという日課

二酸化炭素の排出を少しでも減らすために、よくある手の一つである生ごみを土に埋めることをしている。生ごみを埋めた後は、生ごみにネコの砂(ベントナイト)を混ぜて土を被せている。緑泥石からベントナイト系粘土鉱物肥料を考えるこのベントナイトには消臭効果を狙う他、生ごみが土壌の微生物らに消費される際に発生する有機物が溶けた液体を気化させずに土に吸着させて、二酸化炭素の排出量を防ぎつつ、後にこの場所に草を生やした際に発根量の増加に貢献しつつ、二酸化炭素の吸

 

蛇紋石という名の粘土鉱物

肥料として粘土鉱物を活用するのであれば粘土鉱物についてもっと理解しなければならない。というわけで粘土鉱物の基礎的な内容を読み進めていた。粘土鉱物に関する書物を読んでいて、緑泥石が粘土鉱物として扱われている事に驚いた。緑泥石という名の粘土鉱物よくよく読んでみたら、JAの営農指導員向けのハンドブックにも緑泥石は粘土鉱物であり、作物にとって好ましい影響があると記載されていた。何故今まで気が付かなかったのか?それはハンドブックでは緑泥石のことをクロライトと記載して

 

枕状溶岩の空隙にはゼオライトが充填されている

知識が増えてから、前に読んでいた本を読むと、前はあまり気に留めなかった内容も目について面白い。理解できることが増えるとアンテナが広がって視野が広がるということか。ただ、理解の幅が広がると、初心の頃の発想を無くしてしまうので大きなトレードオフでもある。恩師が知識が増えても、初心の頃の発想力があることが大事だと私に伝え、自身の専門の本はあまり読まず、なるべく専門から離れ遠回りしろと私を指導したのは、初心の発想力を大事にしてほしいという気持ちからだったのだろう。冒頭の話はここま

 

1:1型粘土鉱物に秘められた可能性

粘土有機複合体から粘土鉱物肥料についてを考えるで粘土鉱物で正の電荷周りの内容を整理していた時に思い出したことがある。記事タイトルが思い出せなかったので思い出した内容が記載されている記事のURLはなしだけれども、土壌粒子中の正の電荷に病原性の糸状菌が引き付けられ不活性になるという内容を以前どこかで見たというもの。病原性の糸状菌が不活性になると記載したけれども、そう都合よく病原性の菌だけの選択性は無いだろうけれども、そこは良しとする。上記のURL先の記事の内容を整理すると、非晶質のア

 

粘土有機複合体から粘土鉱物肥料についてを考える

注目の資材、ゼオライトについて再びの続きまでの記事の後、下記のような話題になった。粘土鉱物を肥料として活用する目的は腐植の蓄積が主だけれども、結局のところどうやって粘土鉱物はどうやって腐植と繋がっているの?枝は腐植になるか?の記事で、(農文協 作物はなぜ有機物・難溶解性成分を吸収できるのか 198ページの図を参考にして作成)モデルではあるけれども、土壌表面にあるアルミニウム(Al)と有機物同士の結合の図を紹介した。これは見ての通り、粘土鉱物とポリフェノールのような有機物間での電

 

注目の資材、ゼオライトについて再びの続き

前回の注目の資材、ゼオライトについて再びの記事に引き続き、ゼオライトについて調べることにしよう。栽培におけるゼオライトはベントナイトとよく比較される。ベントナイトに求めるものはイオン交換(CEC)であって、ゼオライトにも同様のことを求めている。緑泥石からベントナイト系粘土鉱物肥料を考えるこれはあまり話題に挙がらないけれども、鉱物系肥料に微量要素を求めることもあり、ベントナイトでも同様の効果を狙っている。何故ゼオライトではなく、モンモリロナイトを推すのか?最後の話題は置いといて

 

注目の資材、ゼオライトについて再び

く溶性苦土と緑泥石の記事までで粘土鉱物の基礎の理解が少し前進した。この流れで再び注目の資材であるゼオライトについて触れてみることをにしよう。注目の資材、ゼオライトについて知ろう先に注意だけれども、栽培におけるゼオライトは粘土鉱物系の資材として扱われるけれども、粘土鉱物学の本によるとゼオライトはその他の鉱物の節で取り上げられているので、ゼオライトは粘土鉱物ではない。この内容を踏まえた上で、ゼオライトについて再び整理してみる。ゼオライトは和名が沸石と呼ばれ

 

く溶性苦土と緑泥石

基肥として推している肥料に水マグというものがある。ロングマグ - 株式会社京都農販ロングマグは2つの苦土の塩がブレンドされた速効性と緩効性を兼ね備えた苦土肥料になっているが、主成分の一つがブルーサイトという水酸化鉱物を粉砕したものになっている。※苦土=マグネシウム苦土と書いてクド。マグネシウムのことRob Lavinsky, iRocks.com – CC-BY-SA-3.0, CC 表示-継承 3.0, リンクによるブ

 

緑泥石からベントナイト系粘土鉱物肥料を考える

緑泥石から土の形成を考えるの記事までで2:1型粘土鉱物である緑泥石について見てきた。緑泥石は2:1型でありながら、スメクタイト(モンモリロナイト)等の2:1型粘土鉱物のような高いCECはではない。その理由は他の2:1型であれば、層間水がある箇所にMg八面体等の層間物質が挿入されている為、層間水による陽イオン交換性を発揮しないことが要因である。ただし、風化と有機酸による処理を経ると緑泥石はスメクタイトのように層間水が形成されて、膨潤性と陽イオン交換性が生じる

 

緑泥石という名の粘土鉱物

兵庫県の竹野海岸付近で観察したグリーンタフである緑色凝灰岩、山陰海岸ジオパークの竹野町田久日のグリーンタフ徳島でよく見かけた(おそらく)緑色片岩(緑泥石片岩)や徳島の名水の江川の湧水高槻の本山寺付近で見かけた緑色岩の主成分に緑泥石(クロライト)という鉱物があるらしいが、この緑泥石は2:1:1型の粘土鉱物として扱われている。枕状溶岩と出会いに高槻の本山寺へ3粘土鉱物が出来る場所、続成作用2:1:1型と似たような名称で2:1型が

 

粘土鉱物が出来る場所、続成作用

粘土鉱物が出来る場所、海底風化の記事で海底風化が陸で起こる風化とは異なるという内容を記載した。海底で風化して粘土鉱物が生成される場合、海水等に含まれるミネラルイオンや硫酸イオンを何らかの形で含み、それらが隆起後の風化で粘土に何らかの作用を与えることに触れた。海底に限らずだけれども、風化した鉱物は必ず底に溜まる。海底で底に溜まる(堆積する)ということは、このよう(図では中央の最も高く堆積したもの)に海のプレートに載っているものが海溝に近づくにつれて、

 

粘土鉱物が出来る場所、海底風化

前回の粘土鉱物が出来る場所、風化作用で火成岩を構成する鉱物が風化すると粘土になることがわかった。風化は酸素に触れるような場所であればどこでも起こりうる現象であるため、火山岩を母岩とする山といったところから、川下に至るどこでも粘土鉱物が出来ることになる。長野の栄村小滝集落の米づくり前編風化ということで話を進めると、朝倉書店 白水晴雄著 粘土鉱物学 -粘土科学の基礎- 新装版には他にいくつかの知見が記載されていた。今回はそのうちの一つの海底

 

粘土鉱物が出来る場所、風化作用

石灰岩の成り立ちから石灰性暗赤色土を考えるの記事の最後で石灰岩自体、もしくは付近には玄武岩質のものが多いのではないか?という話題から、石灰性暗赤色土は玄武岩質のものの影響で赤土粘土になったのだろうという話題で〆た。今まで訪れた場所で観察したものを思い返すと、上記のような話にしてしまっても良いのだろうか?というわけで粘土鉱物について今まで以上に細かく見る事にする。粘土鉱物とは何なのだろう?の記事に粘土鉱物の定義に触れているのでこの内容を前提として話を進める。

 

石灰岩の成り立ちから石灰性暗赤色土を考える

石灰岩はどう出来る?続成作用の続き石灰性暗赤色土を理解するためにはおそらく石灰岩の知識が必要。そうであれば、プレートテクトニクスの海のプレート(右側の青の方)のずっと右側のプレートが出来る場所に視点を移す必要があるはず。プレートが出来る場所といえばハワイ辺りになるらしい。プルームテクトニクス - Wikipedia火山の噴火の種類でハワイ式噴火というものがある。粘性がとても低くドロっとした溶岩が流れるように移動するものら

 

石灰岩はどう出来る?続成作用

話は年末に触れた石灰性暗赤色土に再び触れる事にしよう。大陸の暗赤色土での栽培を考えるこの土の特性を考える上で鍵となるのが石灰岩で、石灰岩の成り立ちを深く触れる必要がありそうだ。前回にも触れたが、石灰岩は遠い海で形成された岩だけれども、石灰岩の地帯での栽培海のない京都や滋賀県の山で見られる不思議な岩である。醒ヶ井宿の居醒の清水この岩の成り立ちに触れたら、石灰岩という白っぽい岩にも関わらず、風化したら濃い赤で且つ粘土質の土になる理由がわかる

 

大阪層群の海成粘土層

大阪の豊中市を流れる千里川に行ってきた。ミニガイドNo.25「大阪の地質 見どころガイド」 - 大阪市立自然史博物館友の会ネットショップによると、千里園を流れる千里川には大阪層群の海成粘土層が観察出来るらしい。その海成粘土層というのが、これだ。いずれは川の侵食作用によってこの露頭は消滅してしまうだろうけれども、ガイドブックによるとしばらく観察出来るらしい。この粘土を見て今まで疑問であった土の形成に関する様々なことが繋がった気がした。

 

大陸の暗赤色土での栽培を考える

ついにこの時がきた。海外という遠方の土壌に対しての対策を検討する日が。赤土の理解のために玄武洞へその土というのは、これだ。中国西部の地域の土らしい。見たところ、赤色の粘土質のようだ。ところどころに白っぽいものが見える。これは昨年の肥料の残りとかだろうか?写真の主はこの土の分析をかける。リンとかが目立っているから、肥料によるものかもしれないけれども、石灰の量が過剰であることも目立つ。土壌分析の土の採取がしっかりとされて

 

粘土鉱物とは何なのだろう?

風化した斑れい岩の露頭の下に蓄積した土の色は何色か?の記事で青っぽい深成岩が風化した後の赤くなった岩を見て、粘土鉱物のことをもっと理解していたら、より多くの情報を得ることが出来たのだろうなと思った。そもそも粘土鉱物とは何なのだろう?この疑問を解消するために粘土鉱物学の本を読んでみることにした。唐突だけれども、朝倉書店から出版されている白水晴雄著 粘土鉱物学 -粘土科学の基礎- 新装版からとある文章を抜粋してみる。/*****************

 

京都北部の舞鶴全般の土壌の考察再び

前回の風化した斑れい岩の露頭の下に堆積した土の色は何色か?の記事で粘性の低い深成岩である斑れい岩が風化した露頭の下に堆積した土を見たことを記載した。堆積した土の色はというと腐植(有機物)があまり堆積していないような灰色の土だった。粘性の低い火成岩として斑れい岩に対応する火山岩として玄武岩があるけれども、玄武岩質の岩石が風化したところと比較すると全然土が黒くない。岩を構成する各鉱物の含有量よりもマグマがどこで冷えて固まったか?ということが、後々の風化後の土の

 

風化した斑れい岩の露頭の下に堆積した土の色は何色か?

前回の風化した斑れい岩を観察する前に斑れい岩について整理しようの記事で深成岩としての斑れい岩について整理してみた。この内容を踏まえて、ミニガイドNo.25「大阪の地質 見どころガイド」 - 大阪市立自然史博物館友の会ネットショップに記載されていた地図を元に風化した斑れい岩の露頭を目指してみた。地図によると、額田山展望台から南側経路で生駒山頂を目指す山道を少し進んだ箇所に露頭があるらしい。というわけで早速行ってみると、この手の石がゴロ

 

風化した斑れい岩を観察する前に斑れい岩について整理しよう

風化した斑れい岩を見に枚岡公園へ行ってきたの続き斑れい岩の風化の箇所の話題に触れる前に斑れい岩そのものについて整理しておこう。この写真に写っている石が斑れい岩で正しいとして、(株式会社誠文堂新光社 日本の石ころ標本箱 201ページの図を参考にして作成)上の図から斑れい岩は粘性の少ない深成岩に分類されることがわかる。玄武岩質のマグマが地中で固まったもので、斜長石、輝石、かんらん石、角閃石が多いが、初期に晶出した重い結晶(有色鉱物)が液体のマグマの中を沈降

 

風化した斑れい岩を見に枚岡公園へ行ってきた

※額田山展望台※青っぽい深成岩による石垣生駒山の東大阪側にある枚岡公園(暗峠)に行ってきた。※枚岡と書いて「ひらおか」と読む枚岡公園 | ひらおかの森こうえん暗峠といえば、急坂で有名で、学生の頃にバイクで訪れ、バイクで走らなければ良かったと後悔した思い出があるところで、文化的には松尾芭蕉が最後に訪れた場所であるらしい。暗峠 - Wikipediaこの枚岡公園を地質図で確認すると、20万分の1日本シームレス地質図

 

暗赤色土周辺の地域資源を活用する

長崎地区青年農業者連絡協議会で土壌分析の活用の話をしましたの時に話題に挙がったことで、以前他のところでもよく聞いたことで、長崎県のとある地域では赤土の客土が頻繁に行われているということがある。客土をしているのであれば、採掘元の土質なり地質あたりが気になるところなので、土質から調べてみると、日本土壌インベントリー様々な土質がある中で、暗赤色土というものが目に付く。有機質が蓄積している黒ボク土や森林土あたりに所々に分布している。この暗赤色土というのは他の地域で

 

土と向かい合い向上する地域と下落する地域

土が悪く年々栽培が難しくなっているから見てほしいという連絡があり行ってきた。畑に行く前に住所を入手したので地質図で確認してみたら、20万分の1日本シームレス地質図地質図を見る限り苦鉄質火山岩類でミネラル豊富で作りやすく、土質を見ても有機質が豊富な畑が多いように見受けられる地域で、今まで見てきた中では土質の面では相当有利な地域であるはずで、何故この地域で栽培に苦戦するのか?が疑問であった。黒ボク土は栽培しにくい土なのか?再考実際にこの地域に行ってみると、

 

水無瀬神宮の離宮の水

大阪と京都の県境付近の大阪府三島郡島本町にある水無瀬神宮に行ってきた。参道を歩き、境内に入ると、後ろに人が並んでいる手水舎(ちょうずや)がある。何故後ろに人が並んでいるのか?というと、大阪で唯一の名水百選に選ばれた離宮の水があり、手水舎で水を汲まれると人だかりで大変なことになるので、後ろに貯水用に管を引っ張ったそうだ。神社の方から手水舎で水を飲んでも良いと教えて頂いたので、汲んで手に移して飲んでみたところ、舌

 

国産小麦はグルテンの量が少ない?

前回のフランスパンは他の国のパンと何が違う?の記事で、フランスの国土から収穫できる小麦はグルテンの量が少なく粘弾性が低い為、粘弾性を低下させるような糖や油脂類をパン生地作成で使用することが出来ずにハードパンになった。という話を記載した。この話を見て、ふと日本の小麦もグルテン量が少なく、粘弾性が必要なパンや麺に向いていないという話を思い出した。拙い作物学の知識を一生懸命思い出すと、確か品種の問題ではなく、日本の土質や気候の問題だったはず。国産小麦の大きな特徴として、

 

若草山山頂の赤い土

曽爾高原はススキの連作障害に困らなかったのだろうか?の続きで帰りに奈良公園の若草山に寄ってきた。若草山の駐車場から山頂へ歩く道で、やたらと赤い土が目立つなと。若草山山頂の地質を調べてみると、20分の1日本シームレス地質図約1500万円前〜700万年前に噴火した火山の岩石(安山岩・玄武岩類)と記載されていた。安山岩が風化して出来た赤い土になるのかな?日本列島が現在の位置に形成された頃の火山になるのね。日本列島誕生。

 

曽爾高原のススキたちが土とは何か?を教えてくれる

曽爾三山を含む室生火山群の柱状節理までの記事で、曽爾高原を含む室生火山群の地域の地質は花崗岩を基盤として、その上に流紋岩質の岩が堆積したことがわかった。※堆積したのは流紋岩質溶結凝灰岩どちらにしても粘性の高い岩石であることに変わりない。竹野のグリーンタフを見ながら土の形成に思いを馳せる基盤の情報を踏まえた上で、ススキの名所の曽爾高原曽爾高原のススキの根元を見てみよう。はじめに写真右側の少し丘になっているところを見てみると

 

曽爾三山を含む室生火山群の柱状節理

ススキの名所の曽爾高原の記事で、曽爾高原のススキは毎年の初春に行われる山焼きによって、草原から森になることを阻止して草原の景観を維持していると記載した。栽培者の間で言われる良い土の表現に森の土というものがあるけれども、森になれない草原の土とはどのようなものなのか?とその前に、曽爾高原の地形について見てみることにする。はじめに知見を辿れる重要な特徴物として写真の左側にある倶留尊山(くろそやま)がある。倶留尊山は約1

 

グリーンタフはどこにある?

シリケイトメルト内の水による反応までの記事でグリーンタフの形成に関連する現象を見てきた。粘土鉱物の話題になると時々聞かれることとして、秋田で採掘できる粘土鉱物が土壌改良効果が高いという話題が挙がる。昨日の記事までを参考にすると、各地のグリーンタフの肥料としての質を判断できるようになったかもしれない。現時点での知識で秋田で採掘できる粘土鉱物を判断してみよう。…とその前に、そもそも日本列島でグリーンタフ(Green Tuff)が分

 

シリケイトメルト内の水による反応

粘土鉱物が出来る場所までの記事で、流紋岩質の凝灰岩で熱水変質作用によって珪酸塩鉱物が粘土鉱物になるまでを見てきた。100℃以上の熱水(主に水素イオン)によって変成が進むことがわかった。もう少し深堀したいと熱水変質作用周辺を調べていたら、今までのテーマからは離れているけれども、シリケイトメルトという用語とメルト中の水についての論文に行き着いた。奥村聡 シリケイトメルト中の水の拡散 - 岩石鉱物科学 35, 119-125, 2006ちなみにメルトというの


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