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カテゴリー : 地形・地質/page-2

電子書籍の販売をはじめました
 

ヤシャブシは水田の肥料として利用されていたらしい

前回話題に挙げたヤシャブシだけれども、調べている時に葉を水田の肥料として利用しているという内容を見かけた。ヤシャブシ - 国立研究開発法人 森林総合研究所 九州支所ヤシャブシは先駆植物として、激しく撹乱された場所にいち早く自生する木として有名。一昔前の各地で里山が維持されていた頃で撹乱が多い場所といえば、大雨で土砂崩れした、所謂、山が老化している場所に多く生えている可能性が高く、そういう場所はたくさんあったのでは?と想像できる。山の老化という表現が適切かはわからないけれど...

 

稲作でカリウムの施肥を減らして、二酸化炭素の排出量の削減に貢献

稲作に関して、農研機構から興味深い報告があったので紹介する。(研究成果) カリウムの施肥量を抑えた水稲の栽培方法により土壌中に難分解性炭素が蓄積することを発見 | プレスリリース・広報リンクのタイトル通りで、稲作でカリウムの施肥量を抑えると、土壌中に有機物が蓄積されやすくなるというものだ。有機物が土の材料となるため、土の物理性や化学性が改善されて、翌年以降の秀品率は向上する。仕組みの考察ははカリウムの施肥量を減らすと、土壌中のカリウムの量は当然少なくなるわけで、イネはカリ...

 

トマトの栽培では土壌鉱物の劣化に細心の注意を払うべき

トマトの一本仕立てで発根量を抑えることでの懸念の記事で、トマトの一本仕立てにより発根量を抑える事でカリウム欠乏が発生しやすいのでは?という内容を記載した。下葉の葉の先端が萎れる現象と同じぐらい、上葉が内側に丸まるという現象もよく見かける。上の写真の葉の丸まり方は大した事はないけれども、土耕のハウス栽培では葉巻のように丸まっているものをよく見かける。これは肥料過多や病気の可能性が高いと言われている。ここでいう肥料過多というのは窒素系の肥料で、相対的に金属系の要素...

 

丘の上の木の下で

丘の一番上あたりに一本の木があって、その周辺は人の手が程よく入っていて、土はあまり肥えていない(ように見える)。この木はブナ科のアベマキかな?と思っているんだけれども、この木の根元をよくよく見てみると、幼苗の群衆が出来ていた。大きな葉に細い鋸歯があって、葉の裏が白いのでアベマキの幼苗だと思う。おそらくこの幼苗たちは、この木で実ったドングリなのだろうと想像している。あまり肥えていないように見える傾斜において、...

 

摂津峡の山を見ていたら

近所の公園から渓谷の方をなんとなく見ていたら、上の写真の赤線のように落葉樹が線状に並んでいるように見えた。一つ前の写真のニ本の線の間に凹んでいるように見える箇所があるので、ニ本の線の箇所はたまたま山になっている箇所だから、落葉樹が目立っているのかもしれない。一本の線の写真の箇所は土砂崩れでも起こったのだろうか?Google Mapsの航空写真を見ると、くぼみの南がこんもりと濃くなっている。※2021年3月1日時点の話。いずれ航空写真が更新さ...

 

殻斗の頂点に毛があるドングリたち

昨日の京都御苑でイチイガシと出会うの記事で、イチイガシのドングリの見分け方の一つに堅果の先端に毛があるか?と殻斗が縞模様で毛がないというものがあった。堅果の先端に毛があることで頭に浮かんだものとして、京都御苑でツクバネガシと出会うの記事で見たツクバネガシの堅果と、アカガシのドングリを探しに本山寺への記事で見たアカガシがある。※上の写真は毛が堅果の表面全体だけれども、少量ながら堅果の先端に毛があるものもある。手元にあるツクバネガシの先端を改めて見てみ...

 

森林生態系の物質循環

本山寺の枕状溶岩の上を歩いて土を見るの記事まででわかるように森林を学ぶために歩いている。学ぶ時は事前に何らかの入門書を読んでおくのは必須で、朝倉書店から出版されている石井弘明(編集代表) 森林生態学を選んだ。この本の終盤に森林生態系の物質循環という章があり、興味深い用語に触れた。森林の生産性の制限要因というものがあり、水や窒素の循環が挙げられていた。降雨が少ない地域では水の量で森林の生産性が決まるし、降雨が多い地域では窒素等の要素が多ければ多いほど生産性は増す...

 

本山寺の枕状溶岩の上を歩いて土を見る

前回のアカガシのドングリを探しに本山寺への記事で高槻の本山寺へ行った旨を記載した。高槻の本山寺といえば、枕状溶岩と出会いに高槻の本山寺へ2の記事で記載したように大体の箇所が砂岩頁岩互層だけれども、局所的に海底火山跡があり、粘性の低い枕状溶岩(玄武岩)で構成されている。この枕状溶岩の露頭が大変興味深くて、足元には非常に栽培しやすそうに見える黒ボク土のような黒い土が堆積している。※砂岩頁岩互層の下に堆積している土については枕状溶岩と出会いに...

 

若山神社のシイ林を囲むようにカシ林

なぜそこにブナがいる?の記事までで、ブナ科の木の植生が徐々に見えるようになった気がしている。本当にほんの少しだけどね。この流れを踏まえ、再び、若山神社のシイ林について触れてみる。神社の境内の端にある道を歩いている時、ツブラジイのドングリの中にカシのドングリが混じっている事が目に付く。カシのドングリは境内の中心あたりで見かけることはない。ここで境内に記載されている内容を持ち出すと、/****************...

 

なぜそこにブナがいる?

前回のブナを探しに大阪北部の妙見山への記事で、ブナの堅果を見に大阪北部の妙見山へ行った内容を記載した。ブナ林に到着して、真っ先に気になるのが、ブナ林は何故ここにしかないのか?だろうか。ブナの環境は夏緑林であるため、大阪では標高が600m以上の山でなければならない。それであれば、私が住んでいる高槻にもポンポン山という条件を満たす山はあるが、そこにはブナ林はないらしい。枕状溶岩の空隙にはゼオライトが充填されているこの理由として、妙高山が標高600m付近でブナが生息...

 

開花させることが前提のレンゲを栽培する時に注意すべきこと

レンゲに限らず、すべての緑肥で頻繁に挙がる質問の一つとして、緑肥は花が咲く前に刈るか、花が咲いてから刈るか?というものがある。これは非常に難しい問題だけれども、質問があった時は刈る前だと伝えている。刈る前と答える理由は、花を咲かせるというのは非常に大きなエネルギーを使うわけで、※単位は%花蜜と花粉に含まれる成分一般的な花粉の成分を見ても、様々な養分が含まれ、これらの成分が畑の外環境に持ち出されてしまう。花粉というのはこれから分裂が活発になる細胞であ...

 

アザミが好む環境はどんな所?の続き

前回のアザミが好む環境はどんな所?の記事で、アザミの群生の周囲に茎の硬そうな草の群生がいて、これらの草がいるからアザミの群生が小さいのか?は不明だという内容を投稿した。少し離れた場所に一株毎のアザミは小さいけれども、群生を形成している箇所があったので行ってみると、林の中で人工的に削った斜面のところにアザミがいた。この場所もチョウやハナバチが集まっていた。改めてアザミ周辺に生えている草を見てみたら、トクサのスギナっぽい草が繁茂して...

 

アザミが好む環境はどんな所?

アザミの総苞片は触ると痛くて粘っこいまでの記事でアザミの群生がハナバチやチョウにとっての蜜源として如何に優秀であるかを触れた。触れてはいないけれども、アザミの中でノアザミはツツジの後に続くように開花し続けるので、養蜂にとって花の少なくなる時期に開花する貴重な蜜源でもあるはずだ。主要蜜源としてのアザミ更にアザミの群生にしばらくいると、住宅地の近くにも関わらず、アゲハのような大きさのチョウで縁が黒で中が青のmimiさんによる写真ACからの写真こんな感じのチョウが飛...

 

クエン酸溶液の散布時の土壌の変化を考えてみる

クエン酸による食味の向上は安易に用いて良いものか?の続きの続き。前回は食味の向上等で有効だと言われているクエン酸が地域によって効果があったりなかったということを記載した。今回は、クエン酸による食味の向上は安易に用いて良いものか?の記事の最後で触れた残留物について触れることにしよう。粘性の高い深成岩である花崗岩由来の真砂土にフォーカスして、クエン酸溶液を散布することを考えてみよう。花崗岩にはカリ長石という鉱物が多い。カリ長石は読んで字のごとく、酸等の作用でカ...

 

クエン酸による食味の向上は安易に用いて良いものか?の続き

クエン酸による食味の向上は安易に用いて良いものか?の記事で、クエン酸や酢酸の土壌への散布は根酸と同じような働きだと見立てて、土壌の鉱物からミネラル(肥料では微量要素と呼ばれる)の溶脱を起こし、養分を根に積極的に吸収しているはずだと記載した。ここで合わせて土壌の鉱物は有限ではなく、過酷な栽培を続けていると当然劣化するので、栽培時のクエン酸散布が食味の向上等に繋がるからといって安易に行って良いものだろうか?と問題提示した。ここでもう一点別の視点から話を続けてみる。畑の土の土壌鉱物...

 

縄文海進と大阪層群から闘鶏山古墳を考えてみる

前回の闘鶏野神社と闘鶏山古墳の記事で高槻にある闘鶏山古墳に徳島の阿波の青石があったという報告があることを紹介した。高槻という徳島から離れていて、更に大阪の中でも海から離れているところなのになんで?という疑問が残る。阿波の青石を海路で運搬したとしても高槻は遠すぎる。ここで2つのことが頭に浮かんだので、今回はその話。NHKのブラタモリという番組と以前投稿した佐賀平野は元々海だったかもしれないの記事で話題に触れた縄文海進という用語がある。縄文時代には今よりも海抜が高...

 

闘鶏野神社と闘鶏山古墳

大阪府高槻市の氷室にある闘鶏野神社(つげのじんじゃと読む)に行ってきた。この神社は不思議で、鳥居をくぐった後、そこそこの段数の階段を登ると、※写真は階段を登った後に後ろを振り向いて撮影名神高速道路の上を歩き、境内に到着する。神社の外に立てかけてある看板を読むと、/**************************************************************************/闘鶏野神社は、...

 

高槻城跡で緑色の岩が朽ちるのを見る

大阪府高槻市の阪急高槻市駅から南に数分歩いたところに城跡公園という場所がある。以前この場所に建っていた城にはキリシタン大名で有名な高山右近がいたそうだ。高山右近 - Wikipedia城跡公園/高槻市ホームページ公園にはたくさんの滑り台等の遊具施設があり、子どもたちで賑わっていた。池もあり、亀、鯉や鳩がいて、池自体も子どもたちにとっては楽しいようだ。この公園を歩いていて気になったことがある。堂々と岩の先端にいるなと気になってこの鳩を撮影した...

 

摂津峡で緑の石探し

米の美味しさは水の綺麗さというけれどの記事で米の美味しさは田に引いてくる水の質によるもので、その質は上流の山の岩の種類によって決まっているはずだと記載し、前回の記事では記載しなかったけれども、上流にかんらん石(または変成した蛇紋石)か緑泥石があることが重要であるとアタリを付けている。植物はどのようにしてシリカを吸収するか?蛇紋石という名の粘土鉱物緑泥石という名の粘土鉱物これらの物質で共通しているのが、比較的水に溶け出しやすいマグネシウムと水溶性のケイ酸になる。...

 

阿波の青石と御影石

関西から淡路島を経て四国に上陸する際、兵庫県側にある明石大橋を渡り、淡路島の南部で大鳴門橋を渡り四国に上陸する。この2つの橋には淡路島側におしゃれなパーキングエリアがある。逆順になるけれども、まずは四国の鳴門大橋付近側にて。(おそらく)徳島産の石材である阿波の青石の石碑があった。阿波の青石これを踏まえた上で、明石大橋側のパーキングエリアに立ち寄った時に見た石碑を紹介すると、これは御影石(花崗岩)だろうか。御影石といえば、...

 

阿波の土柱

大歩危からの帰りに大歩危の三名含礫片岩阿波の土柱に立ち寄った。天下の奇勝「阿波の土柱」 | 阿波市阿波の土柱は株式会社誠文堂新光社 / 年代で見る 日本の地質と地形に記載されていたのでずっと気になっていた。土柱というのは今まさに侵食によって山が崩壊している最中で、脆い箇所から崩れている為、風化に強い箇所が柱として残っている。柱の先端を望遠で見ると、礫があり、崩れている箇所も礫が...

 

礫岩の中に緑色の石

話は再び大歩危に戻る。大歩危の三名含礫片岩望遠で対岸を見ると、緑の大きな岩がところどころで転がっている。下流に向かうにつれ、緑色の岩が目立っていったように感じる。なんてことは置いといて、礫岩があった。礫岩というのは、石が堆積して固まった岩石のことで、上の写真の岩にも様々な石が入り込んでいる。礫岩の中に取り込まれている石の中で、割れた緑色の石があった。礫岩の中に緑色の石があるということは、礫岩の形成の前に緑色岩があ...

 

表面がうっすら茶色の扁平の石

前回の吉野川で緑泥片岩探しの記事で吉野川から持ち帰ってきた※石を顕微鏡で確認した内容を記載した。※国定公園から抜けたことを確認した後に石を拾っています一通り表面を確認して顕微鏡から離れた所で、5歳の息子が「父さんが拾いそうにない石として」持ち帰った石を見たいと引き続き見ていた。表面がうっすらと茶色になっている石今回吉野川に向かった石が緑泥片岩であったため、緑の石以外にはあまり意識が向かず、一人であれば到底持ち帰ることのない石だった。この石の表面を顕微鏡で見...

 

阿波の青石

徳島県の石材で阿波の青石というものがある。吉野川周辺の道路を走っているとよく緑色の石を見かける。徳島県の端の鳴門にあるインターチェンジでとても綺麗な阿波の青石があった。扁平化した緑色の岩が重なっているように見える。阿波の青石は緑泥片岩(緑色片岩)だ。吉野川で緑泥片岩探し緑泥片岩は綺麗なだけではなく、細長い形に加工しやすい特徴を持つため、古墳時代から古墳の石室等で使用されていることが多いらしい。この話は大阪の高槻で得た話なので...

 

吉野川で緑泥片岩探し

前回の大歩危の三名含礫片岩の記事で徳島県の大歩危峡に訪れたことを紹介した。大歩危を訪れた理由はJAの栽培の指導書に2:1:1型粘土鉱物(クロライト:緑泥石)が栽培にとって有効であると記載されていたことで、緑泥石で有名な箇所を探していたら、吉野川の緑泥片岩が該当したので、実際に見てみたいということだった。緑泥石という名の粘土鉱物ここで大歩危という地名をしっかりと見てみると、歩くのが危ないと書いて歩危(ぼけ)と読むが、大股で歩くと危ないというのが一説にあるらしい。歩くのが危ないと...

 

大歩危の三名含礫片岩

徳島県と高知県の県境付近の大歩危に行ってきた。高知県の四万十町農業者ネットワークさんで肥料の話をしましたで高知からの帰りに電車で関西に向かい際、車窓から大歩危を見た時に遠くからでもわかる程鮮やかな緑の岩がゴロゴロしていることに気が付いた。帰宅後、三波川変成帯の緑泥岩等の岩石である可能性が高いことを知り、秀品率に関する知見が大歩危にあるだろうと判断し、いつかここに来ようと決めた。く水性苦土と緑泥石という記事でも記載したけれども、三波川変成帯で栽培している方から「...

 

初春に畑を占拠するナズナたちに迫る

この時期になると思い出すことがある。栽培の師が「あの方の栽培はすごい」と評価していた方が言っていたことで、栽培しやすい土に近づくにつれて生えてくる草はハコベ、ナズナやホトケノザばかりになった。というものがあった。※夏までの話確かに思い浮かべてみると、京都農販の試験ほ場でも、最初は栽培者にとって厄介な草ばかりだったけれども、土を栽培しやすい環境にしてくれそうな草や上記で挙げた草ばかりになった。栽培環境は草達が教えてくれる作物が育ち...

 

高槻の芥川にあった赤い石は何だろう?

最近、我が家では綺麗な石や不思議な石を探してくるのが流行っている。休みの日の前日にどこに行くかを決め、そこでどのような石があるかを予想する。摂津峡の巨岩を盾にして近所に摂津峡がある。例えばここでは、現地には花崗岩とホルンフェルスがあって、上流には砂岩、泥岩、チャート、石灰岩や緑色岩があることがわかっている。摂津峡のホルンフェルス高槻の原大橋付近のメランジュ枕状溶岩の空隙にはゼオライトが充填されているそんな中で息子が赤くて表面がザラザ...

 

摂津峡の巨岩を盾にして

高槻にある摂津峡公園には摂津峡という渓谷があり、そこには巨岩がたくさんある。摂津峡公園/高槻市ホームページ川沿いの歩道の対岸にある山が花崗岩質の岩石であるため、花崗岩マグマが冷えた際の熱により形成されたホルンフェルスが観察出来る場所ということで、美しい景色以外でも見どころいっぱいの場所となっている。摂津峡のホルンフェルス巨岩の間を縫うように川は流れている為、巨岩の下には砂が堆積している。砂が堆積しているところをなんとなく眺めていたら、水際のところの緑色...

 

生命の誕生と粘土鉱物

前回のホルモース反応の記事で単純な構造のホルマリン(ホルムアルデヒド)溶液に触媒を加えると自然発生する反応によって炭素数が5の糖が生成される反応に触れた。この時の触媒は水酸化カルシウム(消石灰)であった。この話を見た時にふと思い出したことがある。そういえば、粘土鉱物は触媒として働いて、何らかの物質の合成に関与していたなと。というわけで、粘土鉱物が触媒として関与して有機物を合成している事例がないか?検索してみることにした。橋爪秀夫著 粘土基礎講座Ⅰ- 生命の誕生と粘土 - 粘...

 

根は地面を耕し土を形成する

土の形成において、根が土の固い箇所を砕き、根の表層が剥がれ、表層の粘着物が土の粒子を接着するという話がある。緑肥の効果の一つとして挙がる団粒構造の形成当たりがこの作用に依るものだろう。この時の粘着物というものが水溶性の食物繊維のペクチンは吸着能を持つの記事で触れた、植物が自身の体を丈夫にする時に利用するペクチンだと言われる。根の表層が剥がれることに関して興味深い研究報告があるので、その内容を紹介する。Control of root cap matu...

 

水溶性の食物繊維のペクチンは吸着能を持つ

朝倉書店から出版されている栄養機能化学第3版 栄養機能化学研究会編集の本を読んでいる。人体にとっての栄養として糖質、脂質、タンパク質、ビタミンと無機質と家庭科で習う内容を高度にしたものの説明があり、その後に非栄養素の章へと続く。非栄養素とは栄養素ではないが、人の体の機能に大きな影響を与えるものをまとめたものとなっていて、食物繊維、オリゴ糖やポリフェノール等が記載されている。非栄養素にある食物繊維の箇所で気になる箇所があった。気になる箇所に触れる前に食物繊維についての定義を見て...

 

実体顕微鏡で土と混ぜたコロイド化したベントナイトを見る

今回は実体顕微鏡で土と混ぜたベントナイトを見るの記事の続き。上記の記事では粘土鉱物の持つ吸着性が周辺の土壌粒子をくっつけて塊になっていることを見たことを紹介した。話は少し戻って、粘土鉱物の特徴を改めて挙げてみると、・(農学寄りの視点で)微粒であること (0.002mm以下の粒子)・鉱物学的性質の変動が著しい・層状珪酸塩鉱物・水を重要な成分として、OHもしくはH2Oの形で含まれる・イオン交換能、膨潤性、有機物その他との複合体形成能などを示すことが多いということを...

 

土に生ゴミを埋めるという日課

二酸化炭素の排出を少しでも減らすために、よくある手の一つである生ごみを土に埋めることをしている。生ごみを埋めた後は、生ごみにネコの砂(ベントナイト)を混ぜて土を被せている。緑泥石からベントナイト系粘土鉱物肥料を考えるこのベントナイトには消臭効果を狙う他、生ごみが土壌の微生物らに消費される際に発生する有機物が溶けた液体を気化させずに土に吸着させて、二酸化炭素の排出量を防ぎつつ、後にこの場所に草を生やした際に発根量の増加に貢献しつつ、二酸化炭素の吸...

 

蛇紋石という名の粘土鉱物

肥料として粘土鉱物を活用するのであれば粘土鉱物についてもっと理解しなければならない。というわけで粘土鉱物の基礎的な内容を読み進めていた。粘土鉱物に関する書物を読んでいて、緑泥石が粘土鉱物として扱われている事に驚いた。緑泥石という名の粘土鉱物よくよく読んでみたら、JAの営農指導員向けのハンドブックにも緑泥石は粘土鉱物であり、作物にとって好ましい影響があると記載されていた。何故今まで気が付かなかったのか?それはハンドブックでは緑泥石のことをクロライトと記載して...

 

枕状溶岩の空隙にはゼオライトが充填されている

知識が増えてから、前に読んでいた本を読むと、前はあまり気に留めなかった内容も目について面白い。理解できることが増えるとアンテナが広がって視野が広がるということか。ただ、理解の幅が広がると、初心の頃の発想を無くしてしまうので大きなトレードオフでもある。恩師が知識が増えても、初心の頃の発想力があることが大事だと私に伝え、自身の専門の本はあまり読まず、なるべく専門から離れ遠回りしろと私を指導したのは、初心の発想力を大事にしてほしいという気持ちからだったのだろう。冒頭の話はここま...

 

1:1型粘土鉱物に秘められた可能性

粘土有機複合体から粘土鉱物肥料についてを考えるで粘土鉱物で正の電荷周りの内容を整理していた時に思い出したことがある。記事タイトルが思い出せなかったので思い出した内容が記載されている記事のURLはなしだけれども、土壌粒子中の正の電荷に病原性の糸状菌が引き付けられ不活性になるという内容を以前どこかで見たというもの。病原性の糸状菌が不活性になると記載したけれども、そう都合よく病原性の菌だけの選択性は無いだろうけれども、そこは良しとする。上記のURL先の記事の内容を整理すると、非晶質のアロフ...

 

粘土有機複合体から粘土鉱物肥料についてを考える

注目の資材、ゼオライトについて再びの続きまでの記事の後、下記のような話題になった。粘土鉱物を肥料として活用する目的は腐植の蓄積が主だけれども、結局のところどうやって粘土鉱物はどうやって腐植と繋がっているの?枝は腐植になるか?の記事で、(農文協 作物はなぜ有機物・難溶解性成分を吸収できるのか 198ページの図を参考にして作成)モデルではあるけれども、土壌表面にあるアルミニウム(Al)と有機物同士の結合の図を紹介した。これは見ての通り、粘土鉱物とポリフェノールのような有機物間での電...

 

注目の資材、ゼオライトについて再びの続き

前回の注目の資材、ゼオライトについて再びの記事に引き続き、ゼオライトについて調べることにしよう。栽培におけるゼオライトはベントナイトとよく比較される。ベントナイトに求めるものはイオン交換(CEC)であって、ゼオライトにも同様のことを求めている。緑泥石からベントナイト系粘土鉱物肥料を考えるこれはあまり話題に挙がらないけれども、鉱物系肥料に微量要素を求めることもあり、ベントナイトでも同様の効果を狙っている。何故ゼオライトではなく、モンモリロナイトを推すのか?最後の話題は置いといて、イ...

 

注目の資材、ゼオライトについて再び

く溶性苦土と緑泥石の記事までで粘土鉱物の基礎の理解が少し前進した。この流れで再び注目の資材であるゼオライトについて触れてみることをにしよう。注目の資材、ゼオライトについて知ろう先に注意だけれども、栽培におけるゼオライトは粘土鉱物系の資材として扱われるけれども、粘土鉱物学の本によるとゼオライトはその他の鉱物の節で取り上げられているので、ゼオライトは粘土鉱物ではない。この内容を踏まえた上で、ゼオライトについて再び整理してみる。ゼオライトは和名が沸石と呼ばれ...

 

く溶性苦土と緑泥石

基肥として推している肥料に水マグというものがある。ロングマグ - 株式会社京都農販ロングマグは2つの苦土の塩がブレンドされた速効性と緩効性を兼ね備えた苦土肥料になっているが、主成分の一つがブルーサイトという水酸化鉱物を粉砕したものになっている。※苦土=マグネシウム苦土と書いてクド。マグネシウムのことRob Lavinsky, iRocks.com – CC-BY-SA-3.0, CC 表示-継承 3.0, リンクによるブルーサイトは和名が水...

 

緑泥石からベントナイト系粘土鉱物肥料を考える

緑泥石から土の形成を考えるの記事までで2:1型粘土鉱物である緑泥石について見てきた。緑泥石は2:1型でありながら、スメクタイト(モンモリロナイト)等の2:1型粘土鉱物のような高いCECはではない。その理由は他の2:1型であれば、層間水がある箇所にMg八面体等の層間物質が挿入されている為、層間水による陽イオン交換性を発揮しないことが要因である。ただし、風化と有機酸による処理を経ると緑泥石はスメクタイトのように層間水が形成されて、膨潤性と陽イオン交換性が生じるとされる...

 

緑泥石という名の粘土鉱物

兵庫県の竹野海岸付近で観察したグリーンタフである緑色凝灰岩、山陰海岸ジオパークの竹野町田久日のグリーンタフ徳島でよく見かけた(おそらく)緑色片岩(緑泥石片岩)や徳島の名水の江川の湧水高槻の本山寺付近で見かけた緑色岩の主成分に緑泥石(クロライト)という鉱物があるらしいが、この緑泥石は2:1:1型の粘土鉱物として扱われている。枕状溶岩と出会いに高槻の本山寺へ3粘土鉱物が出来る場所、続成作用2:1:1型と似たような名称で2:1型があるが、2:1型...

 

粘土鉱物が出来る場所、続成作用

粘土鉱物が出来る場所、海底風化の記事で海底風化が陸で起こる風化とは異なるという内容を記載した。海底で風化して粘土鉱物が生成される場合、海水等に含まれるミネラルイオンや硫酸イオンを何らかの形で含み、それらが隆起後の風化で粘土に何らかの作用を与えることに触れた。海底に限らずだけれども、風化した鉱物は必ず底に溜まる。海底で底に溜まる(堆積する)ということは、このよう(図では中央の最も高く堆積したもの)に海のプレートに載っているものが海溝に近づくにつれて、...

 

粘土鉱物が出来る場所、海底風化

前回の粘土鉱物が出来る場所、風化作用で火成岩を構成する鉱物が風化すると粘土になることがわかった。風化は酸素に触れるような場所であればどこでも起こりうる現象であるため、火山岩を母岩とする山といったところから、川下に至るどこでも粘土鉱物が出来ることになる。長野の栄村小滝集落の米づくり前編風化ということで話を進めると、朝倉書店 白水晴雄著 粘土鉱物学 -粘土科学の基礎- 新装版には他にいくつかの知見が記載されていた。今回はそのうちの一つの海底風化につ...

 

粘土鉱物が出来る場所、風化作用

石灰岩の成り立ちから石灰性暗赤色土を考えるの記事の最後で石灰岩自体、もしくは付近には玄武岩質のものが多いのではないか?という話題から、石灰性暗赤色土は玄武岩質のものの影響で赤土粘土になったのだろうという話題で〆た。今まで訪れた場所で観察したものを思い返すと、上記のような話にしてしまっても良いのだろうか?というわけで粘土鉱物について今まで以上に細かく見る事にする。粘土鉱物とは何なのだろう?の記事に粘土鉱物の定義に触れているのでこの内容を前提として話を進める。今ま...

 

石灰岩の成り立ちから石灰性暗赤色土を考える

石灰岩はどう出来る?続成作用の続き石灰性暗赤色土を理解するためにはおそらく石灰岩の知識が必要。そうであれば、プレートテクトニクスの海のプレート(右側の青の方)のずっと右側のプレートが出来る場所に視点を移す必要があるはず。プレートが出来る場所といえばハワイ辺りになるらしい。プルームテクトニクス - Wikipedia火山の噴火の種類でハワイ式噴火というものがある。粘性がとても低くドロっとした溶岩が流れるように移動するものら...

 

石灰岩はどう出来る?続成作用

話は年末に触れた石灰性暗赤色土に再び触れる事にしよう。大陸の暗赤色土での栽培を考えるこの土の特性を考える上で鍵となるのが石灰岩で、石灰岩の成り立ちを深く触れる必要がありそうだ。前回にも触れたが、石灰岩は遠い海で形成された岩だけれども、石灰岩の地帯での栽培海のない京都や滋賀県の山で見られる不思議な岩である。醒ヶ井宿の居醒の清水この岩の成り立ちに触れたら、石灰岩という白っぽい岩にも関わらず、風化したら濃い赤で且つ粘土質の土になる理由がわかるかもしれ...

 

大阪層群の海成粘土層

大阪の豊中市を流れる千里川に行ってきた。ミニガイドNo.25「大阪の地質 見どころガイド」 - 大阪市立自然史博物館友の会ネットショップによると、千里園を流れる千里川には大阪層群の海成粘土層が観察出来るらしい。その海成粘土層というのが、これだ。いずれは川の侵食作用によってこの露頭は消滅してしまうだろうけれども、ガイドブックによるとしばらく観察出来るらしい。この粘土を見て今まで疑問であった土の形成に関する様々なことが繋がった気がした。何が...

 

大陸の暗赤色土での栽培を考える

ついにこの時がきた。海外という遠方の土壌に対しての対策を検討する日が。赤土の理解のために玄武洞へその土というのは、これだ。中国西部の地域の土らしい。見たところ、赤色の粘土質のようだ。ところどころに白っぽいものが見える。これは昨年の肥料の残りとかだろうか?写真の主はこの土の分析をかける。リンとかが目立っているから、肥料によるものかもしれないけれども、石灰の量が過剰であることも目立つ。土壌分析の土の採取がしっかりとされて...


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