最近、鉄の肥料としてキレート鉄というのをよく見るが、

キレート鉄は何が良いの?と質問を受けた。


先に結論を書いておくと、

作物の鉄の吸収は複雑で、水耕栽培時においてはキレート鉄でなければ作物は鉄を効率的に吸収出来ない

というのが解となる。


整理のために、諸々の現象を見ていこう。


その前に前回の水耕栽培の記事のリンクを掲載しておく。

水耕栽培時のpH調整は溶けやすい塩(えん)で




水耕栽培で使われる鉄の肥料として、Fe-EDTAというものがある。

EDTAというキレート剤でイオン化した鉄を掴んだ形状の肥料となる。

※キレートについては下記のリンク先の記事をご覧ください。

様々な場面で利用するキレート


続いて、土耕の際の作物の鉄の吸収を見ていくとする。

鉄の吸収といえば鉄吸収戦略で、戦略は大きく分けて二つある。

・一つは土壌中の三価鉄を二価鉄に還元して吸収するストラテジーⅠ型

・三価鉄のままキレートして吸収するストラテジーⅡ型がある。

葉緑素の合成で苦土と同じぐらい大事なものは?

作物と鉄まとめ


盛んに水耕栽培されている作物の場合はおそらくⅠ型だろうけど、

土壌の鉄を還元してイオン化するという手間をキレート鉄の施肥という事で省略、

もしくは常に潅水の場合はこの反応を行う事が出来ないのか?


これらの理由でキレート鉄でなければならない。

ということになりそうだ。


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