
ほおずき書籍出版紹介 《苗場山麓植物民俗事典 森と共に生きた人々とその暮らし》
苗場山麓植物民俗事典の続き。
縄文時代の遺跡で発見されたのは、アクが強くて食べれないトチノキをどうにかアク抜きして食べている形跡だった。

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人々は山からトチノキの実を採取してきて、最初は水に浸して虫殺しをして、

灰あわせでアクを抜くという方法で良質なデンプン源を確保貯蔵していたそうだ。
そもそもここでいうアクとは何だろう?ということで調べてみた。
早速見つかったのが秋田県立大学にあったトチノキの書物で、この文章内に

ここでいうタンニンとサポニンというのがアクに当たるのだろう。
この表では化学防御という表記がされているので、トチノキが頑張って生み出した果実を動物たちに食べられないようにするための努力の結晶がアクなのだろう。
トチノキのみに特徴的な値であるサポニンが強力なアクということで、次にこのサポニンを調べてみると、
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界面活性作用があるため細胞膜を破壊する性質があり、血液に入った場合には赤血球を破壊(溶血作用)したり、水に溶かすと水生動物の鰓の表面を傷つけたりすることから魚毒性を発揮するものもある。サポニンはヒトの食物中で必要な高比重リポタンパクつまりコレステロールの吸収を阻害する。こうした生理活性を持つ物質の常で作用の強いものにはしばしば経口毒性があり、蕁麻疹や多形滲出性紅斑を起こす。
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※サポニン - Wikipediaより抜粋
と記載されていた。
界面活性といえば細胞壁付近にあるクチクラや農薬の展着剤の時に挙がったものだ。
サポニンの構造については触れないけれども、サポニンとクチクラを形成する脂肪酸はまったく異なるものなので、脂肪酸の摂取ではサポニンのような毒性は無いだろう。
※脂肪酸の種類による
とりあえず、トチノキに含まれるアクというものは、人体に対して毒性があるため、人はトチノキをそのまま食べようとすると嫌な味を感じるのだろう。
最後に印象的だったものとして、トチノキ食料化の起源 - 民俗例からの遡源的考察 - という論文で、サルはトチノキの実を食べないという表記があった。
サルはトチノキの実を食べないけれども、人は灰を用いてトチノキの実を食べる。

暖を取るための囲炉裏が、暖だけでなく食料の貯蔵にも一役買ったとすると、人の文化というものが厳しい寒さのところで発展したという説は正にその通りだと思えてくる。
囲炉裏によって良質な灰が再利用可能なまとまった状態で手に入る。



