香気物質のピロール類についてまでの記事で、メイラード反応で生成される化合物を一通り見てきたので、

黒ニンニクを頂いたの記事で疑問になったニンニクを熟成したらポリフェノールが増えるか?について改めて見ていくことにする。
黒ニンニクではポリフェノールが増えると記載されているが、実はポリフェノール自体は増えていなくて、他の化合物をポリフェノールと認識して増えたように見えているだけの可能性もあるので、ポリフェールの分析方法を確認しておく。
検索をしてみると、谷本憂太郎等 学校教育で実施可能なポリフェノールの簡易定量法の提案 - 人間生活文化研究 Int J Hum Cult Stud. No. 28 2018という願ったり適ったりの報告にたどり着いた。
上記の報告によると、ポリフェノール含量の測定にはフォーリン - チオカルト法を用いるそうだ。
フォーリン - チオカルト法はリンタングステン酸とポリフェノールを反応させ、ポリフェノールによる酸化還元反応により、青色のタングステンモリブデンブルーに変化したものを比色測定するそうだ。
リンタングステン酸は白色から薄い黄緑色(水に溶かすと透明)をしていて、ポリフェノールと反応させることでどれくらい青くなるか?で測定している。
この反応はリンタングステン酸を還元することで青色に変色するので、この測定方法では還元剤の要素を持つ化合物も測定の対象になるそうなので、

ビタミンCことアスコルビン酸も測定範囲に入っている可能性が高い。
アスコルビン酸の構造を久しぶりに見たが、酸素(O)を含む環状エステル且つ、右端で炭素(C:5位の炭素)とOの二重結合があるので、これってフラノン化合物になるよね?
もしかして、メイラード反応で生成された化合物の中に還元剤的な性質を持つ化合物があるとか?




