ポリフェノールの抗酸化作用を栽培で活用するまでの記事で、
植物が合成するポリフェノールのコーヒー酸についてを見てきた。
この内容を踏まえ、土を理解する為に重要なタンニンの合成について突っ込んでいくことにする。
羊土社 基礎から学ぶ植物代謝生化学を本棚から引っ張り出してきて、タンニンについて調べてみると、縮合型タンニンと加水分解型タンニンの合成経路が記載されていて、縮合型タンニンはフラボノイドから、加水分解型タンニンは没食子酸から合成されると記載されていた。
後者の加水分解型タンニンは一旦置いといて、前者の縮合型タンニンについて見ていく為に、フラボノイドの合成を見ていくことにする。
まずは復習として今まで触れてきた内容から挙げていくと、
フラボノイドは上の図のフラバンを基本骨格とする化合物を指す。
フラボノイドは芳香族アミノ酸からケイ皮酸/モノリグノール経路を経て合成される。
棟方涼介 フェニルプロパノイド代謝の進化 - 植物科学最前線 15:13 (2024)
芳香族アミノ酸のチロシンからの合成を見ていくと、上の図の左側のアミノ基(-NH2)が外れ、
p-クマル酸となる。
このクマル酸の右側のヒドロキシ基(-OH)が外れ、
マロニルCoAが付与されることで、
※上の図右側のCoAは補酵素Aを示す
p-クマロイルCoAになる。
上の図だと長くて見にくいので、左側のSより右側をCoAに省略して、
上の図のように表すことにする。
このp-クマロイルCoAはフラボノイドの他にリグニンの合成にとっても大事な化合物となるため、今回は一旦ここまでにしておくことにする。