オレンジの分類の記事で、オレンジの分類についてを見てきた。
今回は前回の内容で触れていなかったブラッドオレンジについて触れることにする。
ブラッドオレンジというのは、果肉の色が紅色になっているオレンジを指す。
色の変化があるものを見ると、どうしても考えてしまうのが色素で、ブラッドオレンジは他のオレンジから何が異なっているのか?を考えてみた。
最初にブラッドオレンジの色素に関して何も検索をしていない状態で考えてみる。
カンキツの果肉で真っ先に頭に浮かぶのは、
Oks - Own work using: BKChem, パブリック・ドメイン, リンクによる
β-クリプトキサンチンを含むカロテノイドだろう。
カロテノイドといえば、ニンジンのオレンジ色や果物の黄色というイメージがあるが、カロテノイドの合成の初期にあるフィトエン周辺は紫色に近かったはず。
というわけで、ブラッドオレンジの濃い色素はカロテノイドの合成の途中の酵素が欠損したと予想を立ててみる。
ブラッドオレンジの色素で検索をしてみたところ、伊藤史朗等 ブラッドオレンジ‘タロッコ'果肉中のアントシアニンおよびフラボノイド含量が水溶性酸素ラジカル吸収能 (H-ORAC) に及ぼす影響 - 近畿中国四国農研 22 : 43 -49 (2013)にたどり着いた。
Yikrazuul - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる
ブラッドオレンジのタロッコという品種で果肉の赤紫の色素はシアニジ ン-3-グルコシド等のフラボノイドの配糖体(アントシアニン)を挙げていた。
これはブルーベリー等で言われる目に効くという成分になる。
カンキツといえばカロテノイドと考えがちだけれども、フラボノイドも意識しておく必要があるようだ。
ちなみにだけれども、ブラッドオレンジの赤紫色の色素に関与する酵素をルビーと呼ぶそうだ。
※オレンジの歴史 - 原書房 56ページ
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