
腐植や腐植酸について話す機会があって、ふと気になった事があるので、今回はその内容を整理してみる。
気になった事がなんであるか?の前に、腐植の話を進める為に触れておくべきことを挙げておくと、


腐植はポリフェノールやリグニンといったベンゼン環(六角形の箇所)を持つ化合物がたくさん集まって複雑に結合し合ったものを指す。
※糖やアミノ酸が複数個つながったペプチド等の化合物も組み込まれる
ポリフェノールやリグニンは植物が生合成するものなので、堆肥視点で考えると腐植は植物性の有機物という扱いになる。
この内容を踏まえた上で、植物の他にポリフェノールやリグニンを合成する生物(土壌の微生物)はいるのだろうか?ということで検索をしてみることにした。
医薬・化粧品原料を発酵高生産する微生物の分子育種 | NAIST Edge BIOにコリネ型細菌を介して

ポリフェノールの一種であるプロトカテク酸の生合成についての話題が記載されていた。
記事中ではプロトカテク酸から更に他の化合物への代謝を止めるような遺伝子の操作を施すといった内容が記載されているが、今回は植物の他にポリフェノールを生合成する生物はいるか?が主題であったので、これ以上の内容は触れない事にする。
コリネ型細菌のプロトカテク酸の生合成だけれども、

糖原料としてグルコース(ブドウ糖)を与えている。
プロトカテク酸には強い細胞毒性があり、抗菌作用を有するらしいが、コリネ型細菌は周辺の微生物に対して、プロトカテク酸を利用しているのだろうか?
それとも、すぐに別の形に異化して毒性を軽減させつつ、他の何かに利用しているのだろうか?
文中では、コリネ型細菌が保持する毒性化合物に対する高耐性によって発酵阻害が回避と記載されていたので、前者の内容だったら良いな。
Corynebacterium glutamicum - Wikipedia
追記
植物の他にリグニンの生合成を行う生物はいるか?の方の検索では、引っかかるページはなかった。





