物理性の向上 + レンゲ栽培 + 中干しなしの稲作の新たに生じた課題までの記事で観測していた田の収穫が無事終了したという報告があったので行ってみた。
株が傾いていたので、肥料の効きすぎで株が弱体化したのでは?と不安になったが、収穫機がうまく動作しない箇所があったとのことで、株は硬く穂重があったということなのだろう。
今年は穂の形成期の気温が低かったため、中干しなしという選択で低温障害や穂いもちが助長される懸念事項があったけれども、
黒ずんだ籾から胚乳を取り出しても、懸念した内容が悪影響を与えたということはなさそうだ。
今年は中干しの意義の確認を最重要事項にした。
物理性の向上 + レンゲ栽培 + 中干しなしの稲作の新たに生じた課題の記事で触れた内容になるが、年々異常さが増してくる夏の猛暑に対して、中干しをしないというのが大きな一手になると予想していて、中干しなしと中干しありの田の比較の観測を行った。
※最低限の環境として物理性の向上 + レンゲ栽培がある。
中干し無しの田で見られた現象として、
猛暑日を経て、登熟期に差し掛かる時に葉の色が落ちなかった。
・レンゲによる土作りで肥料分が過多になってしまったことか?
・猛暑日に中干しなしで株を冷やし、葉温を高くなりすぎないようにしたことか?
・常に水があることで、川から流入した金属系の栄養が常にあったことか?
といった事が考えられるが、肥料分の過多が一番影響がありそう。
※中干しありの田は他の田同様、葉の色落ちは早い。
もう一つは、
イネの害虫だとされるカメムシやウンカ(どちらもカメムシ目)の天敵が集まった。
中干しなしの栽培方法はウンカの被害を軽減させるために有効であるという仮説があったが、昨年程ウンカの目立った被害がなかったため検証できずだった。
中干しの技術は天敵の観点から無しの方が有効である可能性が高い事がわかったので、来年の栽培の課題は中干し無し栽培に耐えうる減肥に絞る事ができた。
これはちょっとした案だけれども、
冬から春にかけてのレンゲ栽培で、初春の再び生育が旺盛になり始める頃に
米ぬかで追肥することが後の稲作で良い影響を与えるのでは?と予想している。
次作の課題である減肥のさじ加減の話だけれども、心配事として初期生育のリン酸の量が減る事がある。
微量要素は川の水の入水で補えるとして、リン酸の供給源の心当たりがない。
稲作は肥料成分ギリギリの施肥設計になっているので、供給源の候補がない成分は注意しておいた方が良い。
この問題はレンゲ栽培時の追肥に注目すれば回避出来る。
後は、レンゲ栽培時の米ぬか追肥分を加味して、稲作の方で一発肥料をどれだけ減肥するか?だ。
補足
リン酸問題のもうひとつの案として、廃菌床による土作りがある。
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