昨今の社会情勢から深刻な肥料と飼料不足が深刻化し、来年は作物や畜産物の購入が困難になるという話題をちらほらと見かける。
これに合わせて、減肥や有機質肥料への移行推進の話題も頻繁に挙がってきた。
上記の内容を踏まえて、今後の日本の農業は深刻であるのか?を考えて諸々を整理すると、改善の余地が大量にあることに気が付く。
というわけで今回は改善の余地を挙げてみることにする。
一番最初に挙げるべきことは、土の劣化に対してケアしている所が非常に少ないこと。
土の劣化は保肥力の低減と金属系要素の蔓延的な欠乏を招き、栽培中の施肥量を増やしてしまう。
保肥力が低い田や畑では、基肥や追肥が多めに使用される傾向があり、直感的になるけれども施肥量は3割増しになっている。
次に挙げるべきことは保肥力に関連するが、多量要素のリン酸やカリを必要以上に使用していること。
リン酸は特に厄介で、土壌分析でリン酸が高いという結果が返ってきた畑では、糸状菌由来の病気にかかりやすくなり、その影響で肥料や農薬を多く必要になってしまう。
土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良い
カリに関しては稲作の話になるが土壌の鉱物の質を意識しつつ、カリの施肥量を控えると保肥力が高まる傾向があり、メカニズムを加味すると畑作でも同じ現象が発生する可能性が高い。
稲作でカリウムの施肥を減らして、二酸化炭素の排出量の削減に貢献
多量要素の窒素に関しては、窒素固定に関与する生物が多いので、土壌の劣化を改善すればどうにでもなる。
土壌の劣化に関しては火山国で水資源が豊富な日本では資源が大量にあるので、大陸の農業国と比較してやり方次第では大きく化ける可能性がある。
何が言いたいのか?というと、
・慣習的な栽培で経費が過多になって倒産するか?
・知識のアップデートで技術力を向上し省力化しつつ生産性を高めて収入を確保するか?
今が土と肥料に関してのターニングポイントにあると感じている。
関連記事
土壌中の糸状菌が植物に対して病原菌となるか共生菌となるか?は施肥次第