知識が増えてから、前に読んでいた本を読むと、前はあまり気に留めなかった内容も目について面白い。
理解できることが増えるとアンテナが広がって視野が広がるということか。
ただ、理解の幅が広がると、初心の頃の発想を無くしてしまうので大きなトレードオフでもある。
恩師が知識が増えても、初心の頃の発想力があることが大事だと私に伝え、自身の専門の本はあまり読まず、なるべく専門から離れ遠回りしろと私を指導したのは、初心の発想力を大事にしてほしいという気持ちからだったのだろう。
冒頭の話はここまでにしておく。
株式会社誠文堂新光社の青木正博著 鉱物・岩石入門 増補版を眺めていると、鉱物の採集の章で興味深い内容が記載されていた。
その内容というのが、
海底火山の跡である枕状溶岩のことだ。
枕状溶岩というのは玄武岩質の岩石が丸っこく固まり、それが何個も連なっているもので、一つの単位を扇と呼ぶらしい。
この枕状溶岩は地図上では緑色岩に区分され、
主成分が緑泥石という粘土鉱物であることは緑泥石という名の粘土鉱物という記事で触れた。
ここからが興味深い話で、上記の本によると、枕状溶岩同士の境目には空隙があって、そこには沸石類が充填しているらしい。
沸石は英名でゼオライトで、岩の隙間に熱水が入り込んだ時に変質して出来るとのことで、枕状溶岩が海底で急速に冷えて固まることと、扇というブロックが積み重なったものという特徴から隙間にゼオライトが充填していることは安易に想像できる。
高槻のポンポン山で見かけた緑色岩には、
表面が緑よりも白の方が目立っている岩を時々見かけた。
これこそがゼオライトなのだろうか?
緑色岩と記載されていたところには黒くてフカフカとした土が堆積していた。
この土はベントナイト、ゼオライトと腐植の組み合わせによって形成されたのか?と土に対する想像が増した。
関連記事