く溶性苦土と緑泥石の記事までで粘土鉱物の基礎の理解が少し前進した。
この流れで再び注目の資材であるゼオライトについて触れてみることをにしよう。
先に注意だけれども、
栽培におけるゼオライトは粘土鉱物系の資材として扱われるけれども、
粘土鉱物学の本によるとゼオライトはその他の鉱物の節で取り上げられているので、ゼオライトは粘土鉱物ではない。
この内容を踏まえた上で、ゼオライトについて再び整理してみる。
ゼオライトは和名が沸石と呼ばれるミクロ多孔性の結晶性アルミノケイ酸塩となっている。
用途を見ると、イオン交換性や吸着性が記載されていることが多いが、層状や膨潤性という記述がないので粘土鉱物ではないのだろう。
実際に触れて見る前に沸石がどういうところで産出されるかを整理しておく。
株式会社誠文堂新光社から出版されている鉱物・岩石入門 増補版に下記の記述があった。
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流紋岩質の凝灰岩が地層の埋没深度が増すにつれて火山ガラスの水和が進み、沸石、粘土鉱物、シリカ鉱物の集合体へと変化していく
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※株式会社誠文堂新光社 青木正博著 鉱物・岩石入門 増補版の126ページより引用
100℃程度の比較的低温の熱水に触れた岩から産出されることが多いらしい。
流紋岩質というわけではないけれども、
凝灰岩の採石場跡に行ってきたで見た凝灰岩の上に更に何らかが堆積して、埋没深度が増す事により周辺温度が上がり、周辺の水が熱くなりそれに触れることで岩石に含まれるケイ酸塩鉱物がゼオライトへと変化する。
岩石の割れ目に熱水が入ることで岩の中身が変質するそうだ。
写真はないけれども、凝灰岩の中が空洞になっていて、そこにゼオライトが含まれていたというものを見たことがある。
当サイトで頻繁に話題が挙がるベントナイト系の粘土鉱物肥料は緑色凝灰岩の場所から採掘したものを利用している。
今回の記事でゼオライトは凝灰岩の中から産出されるということがわかった。
同じ火山灰であってもどこでどう形成されるか?によって形成される鉱物が変わってくるということを改めてわかった。
-続く-