話は年末に触れた石灰性暗赤色土に再び触れる事にしよう。
この土の特性を考える上で鍵となるのが石灰岩で、石灰岩の成り立ちを深く触れる必要がありそうだ。
前回にも触れたが、石灰岩は遠い海で形成された岩だけれども、
海のない京都や滋賀県の山で見られる不思議な岩である。
この岩の成り立ちに触れたら、石灰岩という白っぽい岩にも関わらず、風化したら濃い赤で且つ粘土質の土になる理由がわかるかもしれない。
石灰岩の定義を見てみると、炭酸カルシウム(CaCO3:鉱物では方解石や霰石)を50%以上含む堆積岩であるとされる。
成因は主に2つあるけれども、その前に堆積岩自体に触れておく。
今回の石灰岩とは話は少しずれるけれども、
隆起して露頭した地層の記事の際に触れた川の作用等によって陸側から風化した砂や泥が海底に堆積したものが硬くなったものが堆積岩とされ、地震による地殻変動(造山運動)によって陸側に現れる。
地表から運ばれてきた泥、海の生物の遺骸や時々降ってくる火山灰が海底に堆積すると堆積したものの加重による圧密を受け、粒子間に含まれていた水分が絞り出され、平行に並びながら硬くなる。
他に水に溶けていた二酸化ケイ素や炭酸カルシウムが各粒子の隙間に入り込んで、セメントのような役割で硬い堆積岩となる。これらの固化の過程を続成作用(ぞくせいさよう)と呼ぶ。
続成作用は厚みが増すにつれ、周辺の温度と圧力が高くなって、構成物質の再結晶を変成作用が始まるが、それはいずれ触れる粘土鉱物肥料の質の判断で重要になるので頭の片隅に入れておこう。
※朝倉書店 基礎地球科学第3版の堆積岩と堆積作用の節を参考にして記載
余談だけれども、
陸から砂、泥や火山灰が海底に堆積して形成される岩を砕屑性堆積岩、
生物の遺骸が堆積したものを生物的堆積岩
海水や湖水に溶けていた物質が化学的に沈降したり、岩塩のように水分の蒸発によって形成されたものを化学的堆積岩と呼ぶ
ここまでの話では炭酸カルシウムが50%以上含まれる堆積岩が誕生する要因はまだない。
川の作用によって石灰質の泥が陸から都合よく大量に流れてくるなんてことはないからだ。
というわけで、
この図でいうずっと右側の遠方の海で生息している
現在のハワイの位置のサンゴ等に視点を移したい。
ハワイ周辺の火山で島が誕生し、それが1億年といった長い年月をかけて移動し、途中は端折るけれども、今の日本の一部であったり、中国の一部を形成している。
-続く-