粘土鉱物を理解する旅でも記載したけど、学部生の頃の土壌学の講義で鉱物が保肥力を持つ仕組みの話題が挙がった。
大きく分けると、
・珪素と酸素により形成される立体構造の中心のイオンが入れ替わることで電荷が変わり保肥力となるもの(同型置換)
・石が削れた時に現れる手が堆肥のカルボキシル基のような振る舞いをする(破壊原子価)
の二パターンがある。
前者のイオンが入れ替わることで電荷が変わりというのが、
層間水の説明の時によく話題に挙がり、後者の石が削れた時の話題は
陰イオン交換容量AECで記載した表面上で生じた変異電荷のこと。
今年の秋に長野県の大鹿村の中央構造線の露頭を訪れた時、現地の学芸員の方と栽培のことでちょっとした雑談をした。
雑談内容を記載する前に、大鹿村を訪れる一ヶ月前に小滝集落を訪れていて、小滝集落は玄武岩質的な地質上に形成された厚層の黒ボクで、玄武岩質なミネラル豊富な環境と稲作が見事にマッチして、とんでもなく美味しい米が栽培されているのでは?と感じていたところ。
小滝を訪れた時の感想を学芸員に伝えたところ、玄武岩は重いので土になっても重いだろうから畑を耕すのが大変そう。
私だったら泥岩(頁岩)質が良いなと。
泥岩であれば、石を形成する時に泥と一緒に有機物も混ざるため、泥岩質の石が風化した時に太古の有機物が土壌に還元されそう。
泥岩というのは、
堆積岩いう水の作用で形成される岩石で、陸上で山が削られ、風や川の流れに乗っていずれは海底の深いところに堆積する。
水圧と、堆積時に増える堆積物の重みによって堆積物は下の方から締まって固くなる。
固くなったものが地震なりの地殻変動により隆起する。
山が削られと記載されていることで、泥岩には風化の激しい状態である砂、粘土や有機物が含まれていることになる。
泥岩が風化作用によって土化した場合、その有機物は栽培にとって有効な形になっているのだろうか?
そうであったら良いな。
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