前々から疑問に思っていたことがある。
フカフカの栽培にとって良い土になって、土の中に酸素が行き渡るということがあるけれども、拡散のみで酸素が土の中に行き渡るのだろうか?
ということ。
良い土は植物の根も土壌中の微生物も活発になるため、土全体の酸素の消費量は増える。
このような条件下で土壌中に十分な酸素が行き渡るのだろうか?
この疑問を一気に解決させてくれるのが、先日話題に挙げたROLだった。
湿性植物が水没した環境下で生育する術の一つとして、茎葉から吸収した酸素を通気組織を経由して根に酸素を運搬中に、根の上部で酸素が土壌中へ漏れないようにする仕組みの際に挙がった用語がROLで、根の上部で酸素が土壌中に漏れてしまうのがROLとなる。
図:ROL バリア:湿生植物の過湿状態の土壌への適応を支えるしくみ - 根の研究(Root Research)25 (3)の51ページより引用
葉茎から吸収した酸素が根に運ばれるのは拡散に因るものらしいので根でも拡散によって土壌中に酸素が漏れる。
拡散であるならば、湿地関係なく発生する現象だろう。
このROLを踏まえて
改めて良い土を見てみると、良い土になっての大きな変化は根も含めた植物の背の高さだろう。
良い土にいる植物らほぼすべての根量が多くなる。
根の量が多くなるということは当然ROLも多くなるわけで、根から漏れる酸素の量も増えるということだ。
これを踏まえて一つ見えてくることが、
京都市内で試されていたネギの畝間に緑肥のマルチムギを栽培する方法が想像以上にハマって低労働高秀品率になったこと。
緑肥をかますとはいえ、ここまで高密度に栽培して土壌中の養分や根圏の酸素量は大丈夫なのだろうか?
という心配はあるだろう。
この心配に対して、ROLの考え方はしっくりくるどころか一種の革命的な組み合わせを感じる。
その詳細は次回にすることにしよう。
-続く-