肥料とはまったく関係ない所用で、トウガラシを栽培している方の畑に行き、興味深い現象と出会った。
この畑では秀品率と効率化を高める為に試行錯誤し、草生栽培のような形になりつつある畑で、畝幅と通路を大きくとり、除草作業を集約化させていた。
トウガラシは肥料を多く必要とする作物で、多く肥料を与えつつ、余剰は通路の草に吸収させ、有機物にして土に還元するスタイルが確立しつつあった。
※この畑は無農薬で栽培されている
今年になってエノコロがちらほらと生え始めているということなので、私の師の指標がどこでも通用するならば、物理性は年々良くなっているのだろう。
基肥の主は牛糞や馬糞を使用していて、
家畜糞の持つマイナスの要素は通路の草が相殺しているだろうと予想できる。
年々秀品率が落ちている個所があるがあるとのことで良く出来ている個所とそうでない箇所を観察してみると、非常にわかりやすい違いがあった。
調子の悪いところはアブラムシが寄り付いてしまうらしく、成長が劣ったり、欠株になったりする。
周辺の株より成長が劣っている株の周辺をよくよく見てみると、
畝がスベリヒユで囲まれていた。
スベリヒユといえば、高温乾燥地を得意とする草で、背丈が低い。
塩類集積しているハウス等で良く見かける。
周辺にはC4型光合成回路を持つイネ科の草が繁茂しているのに、何故、サボテンのようなCAM型の草が優位になっている個所があるのだろうか?
肥培管理を聞いてみたら、調子の悪いところには基肥で気持ち多めの肥料を与えているようにしているとのこと。
おそらくこれはマルチ内で塩類集積のような現象が発生している可能性がある。
塩類集積であれば乾燥耐性の為に葉に虫の好む成分を溜め込んで、それがアブラムシを寄せ付ける現象と合致する。
マルチで覆った個所は草が生えることがないので、肥料分を溜め込んだ状態のままになってしまっているということだ。
水溶性の栄養塩が豊富であれば発根は抑制されてしまうので、食害や病気にもなりやすくなる。
この問題の解決は基肥の家畜糞を減らして、減らした分だけ物理性を向上させるような植物性の堆肥を加えれば格段に解決するはず。
草刈り機も年々機能が向上しており、除草作業が農薬散布の労働量に近づきつつあるので、草生栽培が今後の栽培の主流になっていくのだろうなと思える栽培スタイルだった。
追記
通路の草を頻繁に刈り倒すので、草生栽培ではないという意見が挙がるかもしれないけれども、そもそもの草生栽培は果樹園の土壌流出の防止や土壌水分の保持が主であったはずなので、今回の栽培も草生栽培と言えるはず。
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