1haに10トントラック160台分の木材チップをいれた畑の話の続き
木材チップを入れた後、そのまま放置した箇所は一面センダングサ化した。
一方、耕して栽培を始めたところもあった。
大型のトラクターで深くまで耕すことによって何とか栽培にこじつけた。
耕すことによって土の乾燥は激しくなり、草が生えにくくなった。
とりあえず栽培を始め、
こんな感じでウリ科の作物を定植しつつ、たまたまもらっていた牛糞をこんな感じで施肥したのね。
その後、シカによって作物は全滅になったので、この箇所をそのまま放置していたら、
数か月後、
ここが、
こんな感じで、草がライン上に繁茂していた。
一方、
このように横に施肥していた箇所は、
こうなった。
あれ?
牛糞を施した箇所に合わせて草が生えていないか?
しかも、牛糞を施していない箇所は発芽すらしていない。
たまたま牛糞にタネがあって発芽したとか?
いやいや、それだったら、
牛糞を施すはずのない通路で草が繁茂しているのでタネがなかったというわけではないし、
※通路は湿っていることが多かった。
木材チップを入れた後放置していた箇所で生い茂ることからチップ上にもタネがあることがわかる。
確認のために再度発芽しなかった箇所を挙げると、発芽しなくなった箇所は木材チップを大量投入後に耕起・畝立てをしたところで、そこに牛糞を施用したら発芽するようになった。
つまりは、牛糞が発芽しにくい環境で草の発芽を誘発した。
もしくは、牛糞が劣悪環境でなんとか発芽した草を安定的に生育させる環境を用意した。
このどちらかであることは間違いない。
当ブログでは普段から牛糞堆肥で土作りはやめようよと記載してきた。
理由は単純で、牛糞で土作りは施用にかける時間に対しての結果が低すぎるからで、下手するとマイナスの結果になる可能性がある程のダメさがあるからなんだけど、
この結果を導けるとなると、尚更、栽培途中での土作りに牛糞を使うのはもったいないと思えてくる。
牛糞堆肥には価値がある!
ある種の耕作放棄地は無茶な栽培によって土壌が劣化されすぎて栽培できなくなったところがある。
新規就農者はこういう経費を半端なくかけなければ収穫にこじつけない様な劣悪環境を渡されることが多々ある。
耕作放棄地の解消を掲げている団体の就農支援を受けてはいけない
こういう畑ではとにかく植物性の有機物で保肥力を上げて、ミネラルの施用効率を上げなければならないけれど、良質な堆肥や肥料はとにかく高い。
それを安価でこなすためには、使用しにくい有機質を安価で大量に入手して、それを即効で土に還す手法が必要となる。
そう!
木材チップ、センダングサと牛糞から得られたこの知見こそ、新規就農者に限らず、新規の畑で確実に収量を得るための手となる。
木材チップや家畜糞の焼却処分で苦労しているんだ。
障害が少なく、確実に大量にはける様に栽培していない畑に投入して、栽培を始める頃にバリューが高まっていれば自治体の抱える諸々の問題はある程度解決しているだろう。
次の記事
関連記事
京都市肥料講習会で家畜糞堆肥での土作りの注意点の話をしました