近所でソルガム(ソルゴー、モロコシ)で四方囲っている畑を見かける。
ソルガムと言えば栽培終了後の土壌の団粒構造の形成が最も多いとされる緑肥で、
強靭な根によってしっかりと根付き、この根付きによって地上部の背丈も高くなる。
背丈が高いことに合わせ、C4型光合成を行うので、CO2の固定量も非常に多いのが特徴である。
更に酸性土壌にも強く、残留肥料も貪欲に吸収するから、土壌劣化によって栽培が困難になったところの救世主のようにも振る舞う。
このような栽培者にとって素敵な特徴を持つソルガムを
このように畑を囲うようにするのはなぜだろう?
この疑問に対して、バンカープランツという考え方がある。
バンカープランツというのは、銀行家(banker)という意味があり、作物に対する害虫を集めるための囮として植える。
食害する昆虫が狭い範囲に集まると、自然の摂理で食害昆虫を捕食する生物が集まってくるということがあるので、
予め虫が集まりそうな茂みを畑を囲うように準備しておけば、畑の内側にまで入ってくる食害昆虫が減ることが期待出来る。
このバンカープランツだけれども、似たように畑の四方を囲む栽培が盛んな地域があった。
それは、
鳥取砂丘付近の砂丘未熟土での栽培でのオオムギの緑肥だ。
鳥取砂丘周辺は海からの強い風、腐植の少ない砂質の土壌で、栽培前にせっかく与えた肥料が風で飛ばされてしまうことを防ぐ為に、畑を四方囲むようにオオムギを植えるらしい。
※地域の方から直接聞いた
畑の内側にある肥料分が外側に飛ばないようにするという意味以外でも外側からの強い風が内側に影響を与えないという効果も狙える。
話は戻って、
バンカープランツだけれども、今後強力になり続けると予想されている台風に対して、風よけ、二酸化炭素の固定量の増加と根量の増加の面で、昨今の気象に対しての有効な一手になり得ないだろうか?