ちょうど9年前。

私はある人に付き添い、島根県のベビーリーフの栽培者のところに行く時、道中の鳥取で神奈川育ち、京都在住の身では信じられない光景を見た。


それは、


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※らっきょう畑


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海岸の砂地みたいなところで栽培が成立しているということ。

当時、何か工夫をしていないか?と一緒にいた人とここの地域を周り、畑で作業をしている方から色々と聞いたものだ。


栽培している方から話を聞きに行くために移動している最中、ある作物がやたらと育てられていることにも気が付いた。


それはあとで書くとして、9年という時が経ち知識も経験も土を観察する道具もそれなりに揃ったので、鳥取の砂丘農業の場所に改めて行ってみることにした。


ちなみに土壌学の定義で、鳥取の砂丘農業の土質を砂丘未熟土と呼ぶ。

腐植に乏しく、保水、保肥力が少ないという特徴がある。




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9年前、やたらと目に付いたのが畑の端にムギが植えられていることで、すごいところだと長方形の畑の四辺の全てにムギを育てられていた。


刈り倒されてはいたが、


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規模の大きな畑でも三辺程ムギが育てられていた。一辺は面しているところが建物だったため育てられていない。


気になって聞いてみたら、砂地の農業では風で砂が飛ぶ時に、畑から砂が持ち出されせっかく与えられた肥料分が飛んでしまうらしく、それを避けるための風よけだと。

※定植した苗が土壌が減ることで倒れることもあるらしい。


一種の緑肥だ。

ムギは刈り倒されたままでワラの回収すら行われていない。


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このようなムギの壁を作り、海からの強い風を避けつつ、内から外へ土壌が移動することを防止する。


肥料分が飛ばされないように工夫する。

この知見はおそらくどの地域でも活かされるはずだ。


数回に渡って砂丘の砂について追ってみることにしよう。


-続く-