昨日、栽培者が話している内容を横で聞いていたのですが、
良い土 ≒ 黒ボクみたいな意味合いで、
黒ボクみたいな土があったという話題がちらほらと挙がっていた。
何か高頻度で黒ボクという名前が挙がってきているけど、
京都府内にそんなに黒ボク土なんてあったかな?
黒ボク土というのは黒くて、
触ってみるとふかふかする土のことを指す。
学生の頃、講義で黒ボクを歩くと「ボクボク」と音がなるから、
黒いボクボク鳴る土で黒ボク土と呼ぶという話題があった。
以前、岐阜に行った時に一面真っ黒の土の場所があって黒ボク土と出会った。
黒ボクというのは
腐植がふんだんに含まれている上、軽くて空気が入りやすいので、
非常に栽培しやすい土だと言われている。
欠点はリン酸と強く結合するため、リン欠になりやすいけど、
それを除けば悪い点がほとんど見つからない。
※リン酸と強く結合する = アルミニウム(Al)が多く、Al障害になりやすい。
黒ボク土に腐植がふんだんに含まれている理由として、
黒ボク土は火山灰由来の鉱物が主体で、
その火山灰にはアルミニウムがたくさん含まれている。
火山灰由来の土の上で長い間膨大な植物は生きては死にを繰り返し、
その死骸はアルミニウムと強固に結合して、
なかなか分解されない形となる。
この話はまさに土壌のアルミニウムが腐植を守るで書いた内容そのものだよね。
よって、
この土は排水、保水だけでなく、保肥力や緩衝性が最初からある程度以上に備わっている土ということになるわけで、
良い土 ≒ 黒ボクと言いたくなる気持ちもわかる。
でもさ、
火山灰由来だったら、関東ローム層の赤土も火山灰由来だけど、
関東ローム層の土は赤い(茶色い)よね?
となるとだよ、
火山灰由来だったら必ず黒ボク土になるわけではなく、
火山灰由来 + 何かの条件というものがあるのだろうね。
例えばだよ、
火山灰であっても石英の含有量は違うというのを火山関連の方から話を聞いた。
石英はSiO2でアルミニウムの含有量はないので、
石英多めの火山灰では黒ボクは形成されにくいと…
ここらへんの話、
農学の教科書にあるような土壌の話ではなく、
火山と岩石といった地球規模のレベルで理解できるようになりたい。
というわけで、
これからも鉱物と向き合っていきたいと思います。