前回の白色腐朽菌とトリコデルマの戦いで白色腐朽菌とトリコデルマは培地上で陣取り合戦をしていて、
培地に硫酸アンモニウム(硫安)を添加するとトリコデルマが活性化する
という内容を記載した。
この内容は
先日紹介した共立出版のるキノコとカビの生態学という本に記載されていた。
この白色腐朽菌とトリコデルマの関係だけれども、
もう一点興味深い結果の実験があるので紹介すると、
白色腐朽菌が活性化した培地にトリコデルマの菌を投入する時、
培地上に添加した糖の種類でどの菌が繁殖するか結果が異なるという報告があった。
※共立出版 キノコとカビの生態学の19ページより引用
添加した糖がグルコース(デンプンやセルロースの材料)だった場合は白色腐朽菌が活性化し、
添加した糖がキシロース(ヘミセルロースの材料)だった場合はトリコデルマが活性化する。
ヘミセルロースが何なのか?は今回は触れないでおくが、
糖の種類によって活性化する菌が決まるというのは興味深い。
この内容を見て、
キノコ培地にデンプン多めの米ぬかや
グルコース多めの糖蜜を入れる
というノウハウがしっくりとくる。
前回の話と合わせると、
水溶性の窒素系の塩は控えめにして、
デンプン質のものを多めにする。
キノコ栽培のノウハウというものは、
やはり凄いものがあるな。
これを栽培(特に堆肥作り)で活かされていないのが残念でならない…