昨日の紅葉と黄葉の落葉がいずれは土に還るに引き続き、落葉の話を続けることにする。
某SNSで知人が落葉にはオーキシンが関与しているという投稿をしていたので私の方でも調べてみた。
Wikipediaでわかりやすい文章があったので抜粋してみると、
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落葉は葉柄と茎との間に離層と呼ばれる境が形成されることで始まる。この層は、葉が盛んに生長する時期に既に作られており、互いに離れうる細胞の層で構成される。この細胞は葉やその他の部分で作られる植物ホルモンの一種、オーキシンに敏感である。個々の葉で作られるオーキシンの量が他の部分から来るオーキシンの量と同程度であるうちは、離層細胞は離れない。しかし、季節的条件やストレスによって葉からのオーキシンが減ると、離層が伸び、それによって細胞層の間の結合が離れる。
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オーキシンと言えば、高校理科あたりで触れる植物ホルモンの中で最も触れるもので、主茎と側根の伸長促進に関与するものとして扱われている。
Journal of Pesticide Science 6 〔1},February 1981 112ページより引用
※赤丸で囲っている箇所は無視してください。
オーキシンは光合成時に生成された糖からシキミ酸経路を経てアミノ酸のトリプトファンになり、トリプトファンからオーキシンへと合成される。
上の図の中段右側のトリプトファンから左側への移行に視点を向けてみる。
落葉時に光合成時のこぼれ電子対策として、アントシアニン等を合成して紅色の葉になる植物がいる。
紅色の濃さは別にして、おそらく黄葉のものも少なくても合成しているはず。
これにより紅葉の色の強弱が出来る。
アントシアニンはトリプトファンから更に芳香族のアミノ酸であるフェニルアラニンになり、フェニルアラニンがケイヒ酸を経て合成される。
という内容を前回の記事で記載した。
秋に向かって気温が下がる時期、光合成量が減り、ただでさえアミノ酸の合成量が減る中、こぼれ電子対策として複雑に合成されたアミノ酸はアントシアニンの材料として使用される。
おそらく離層の伸長抑制に働いていたオーキシンの合成量が減ることで、
葉は枝に付き続けることができなくなる。
植物は進化の過程でとても合理的なシグナルを得たのね。