カブトムシの黒色は何の色素?の記事でカブトムシを含む昆虫の黒色はメラニンに因るものだと記載した。
メラニンといえば、美容におけるシミやそばかすの類で増えたら困るというイメージがある。
シミ消しという言葉があるように、
おそらくメラニンを分解するということは盛んに行われているはず。
分解と言えば酵素なので、
酵素系の研究といえば土壌中に微生物からの探索が主なので、
メラニン分解の研究を辿ればメラニンが土壌に還る仕組みのヒントが得られるかもしれない
ということで早速Google先生に聞いてみた。
花王が取得したメラニン分解酵素の特許のページが見つかった。
JP4866169B2 - メラニン分解酵素 - Google Patents
特許の大元の論文を探したけれども、
日本農芸化学会誌の該当するページが見つからなかったので特許に記載されている内容で話を進める。
特許中に記載されているメラニンを分解する酵素は、
土壌中から発見した担子菌のセリポリオプシス・エスピー.MD-1株から分離されたマンガンペルオキシダーゼとされる。
この酵素はマンガンを必須として過酸化水素の共存下で毛髪由来のメラニンを分解する。
反応はメラニンからインドール等を切り離す為、
メラニン合成と逆の反応を行う酵素であると言える。
土壌中にインドール等で残留するか?
もしくはもう少し戻ってL-ドパ等のフェノール性化合物として残留するか?
特許の内容からは判断が付かない。
今回の話題で最も知りたいのが、
メラニンを分解した土壌中に微生物が何なのか?
それが畑に普遍的に存在しているような微生物なのか?
だけれども、
属名で再びGoogle先生に聞いてみると、
コウヤクタケという名称が見つかった。
リンクは記載しないけれども、白色腐朽菌として扱われ、針葉樹林の発酵処理あたりで活用する特許がちらほらと見つかる。
昆虫の色素であるメラニンが、コウヤクタケによって腐植の要素になるのかな?
と淡い期待を寄せて今回の記事は終わりにすることにしよう。
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